函館の経済・行政etc

2018年6月22日 (金)

函館駅前に必要なもの

2018boni函館駅前の顔として、長く市民に親しまれてきた老舗デパート「棒二森屋」。この一等地にあるデパートが間もなくその歴史を終えようとしています。今や地方都市でデパート経営が成り立たないのは半ば常識。まして商圏人口30万人余りの函館市に、二つのデパートが現存していること自体、稀有な状況であろうかと思います。なのでその撤退については、驚きに値しません。

棒二森屋の設立は戦前の昭和11年。この地元資本のデパートも変遷を経て、今はイオングループに属しています。ボーニデパート閉店の情報を受けて、行政や地元経済界ではイオングループに対し、駅前中心街の衰退を避けるべく、代替となる商業施設の建設を要請しました。当初、イオングループは売却を検討していたようですが、要請を受け自ら開発する方向に方針を転換しました。

イオン側から出された案は、現本館とアネックス館をそれぞれマンションとホテルにするというもの。所有はするものの経営は委託する方針のようです。一方、経済界側としては、駅前活性化のためにも人が集まる商業施設を要望しました。旭川や岡山などにあるイオンモールの中心街版が理想です。本館とアネックス館の間にある市道を閉鎖して敷地とすれば、立体駐車場の敷地も合わせてそれなりの規模の建物の建設は可能です。

新幹線開業と外国人観光客が増加により、函館駅前はひところより賑わいを取り戻しつつあります。空き店舗が目立っていた商店街は、観光客をターゲットとして居酒屋が並び、特にお酒目当てには困らなくなりました。一方、夜景がある函館はまだ恵まれているとはいえ、地方都市は夜の娯楽が決定的に不足しています。せめて中心街型SCがあれば、夜の10時くらいまで家族で食事ができ、ちょっとした娯楽や買い物も可能になります。

函館はイオンに代表される大型SCの進出を拒んだ歴史もあるため、逆に道内他地方都市と比べれば、中心街の極端な衰退は避けられたと思っています。一方で、若者や主婦層にとっては、買い物をする場所や娯楽が限られ、多方面から不満の声を聞いてきました。今、駅前にそれなりの規模のSCができれば、経済界も市民も観光客にとっても歓迎するところであり、駅前活性化に弾みがつくというものなのですが・・・。イオン側によれば、函館程度の商圏では採算的に厳しいのだという返答があるとのことです。郊外は良くても、駅前ではだめなのでしょうか。

タワーマンションやホテルが駅前に増えても、この観光都市函館の顔は、どこの地方都市とも変わらない味気ないものになってしまいます。まして、同業だからこそ言うのではありませんが、これ以上この街にホテルが増えてどうするの、というほど函館ではホテルの建設ラッシュが始まっています。何とかイオンの英断を期待したいものです。

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2018年6月16日 (土)

「イカすぜ函館」キャンペーン

現在、JR東日本では「イカすぜ函館」キャンペーンと題し、JR東日本管内各地から函館への集中送客キャンペーンを実施しています。先日、そのPRのため、受入地の提携宿泊施設の当ホテルはじめ複数の関係者で首都圏の駅に出向いてきました。

北陸新幹線に比べ、開業2年目以降の伸び悩みが目立つ北海道新幹線のテコ入れのため、八王子支社の提案で企画されたものなのですが、首都圏各駅での函館のポスター、垂れ幕、飾り付け、動画広告、音声案内等々、驚くべき規模だったので報告しない訳にはいきません。

民間サイドで、これだけの広告を依頼したら、金額的に億は軽く超えるのではないでしょうか。百聞は一見にしかずで、画像で紹介させていただきます。画像は、池袋駅、立川駅、八王子駅、そして中央線列車内のものです。

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これは、ほんの一例です。東京に行く機会がありましたら、JR東日本主要駅、特に中央線沿線のターミナル駅での露出が多いので、是非意識してみて下さい。函館市民のひとりとして感謝申し上げます。

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2018年6月 2日 (土)

変わる環境

20180apa当ホテルが新築された昭和40年代半ば、函館駅周辺は数多くの小規模旅館が建ち並んでいました。当時、函館旅館組合に所属していた施設は百数十軒に及んでいたと聞いています。そんな中、当ホテルは函館で初めてのビジネスホテルという存在でした。この直後から、函館市内には複数のビジネスホテルや宴会場を備えたシティホテルが建設されましたが、その多くが地元の一定規模の企業によるものか、旅館からの転業(建て替え)でした。

最初に函館でホテル建設ラッシュと言われたのはバブル期、西暦では1990年前後のことだと思います。この時期、青函トンネルが開通し、当地は時の好景気も重なり、観光客が一気に増加しました。函館駅前は、ハーバービューホテル(現フォーポイントバイシェラトン)始め、管外資本の大型ホテルが進出すると同時に地元資本のビジネスホテルも数多く建設されました。一方で、駅周辺の小規模旅館は減少の一途を辿ります。

私が函館に戻り数年が経過した今世紀初頭、今度は東横イン、ルートインといった全国展開している大手ビジネスホテルチェーンの進出が始まりました。この頃、当地の観光客入込は頭打ちとなり、減少傾向が鮮明となる中での乱立で、既存施設は大きな影響を受けました。特に2008年に発生したリーマンショックは大幅な観光客の減少を招き、地元資本ホテルの破たんや転廃業が相次ぎました。

東日本大震災などもあり、函館市内のホテル客室数も減少に転じる中、目立っていたのが、経営母体の移譲です。所有、経営、運営がそれぞれ異なることが当たりまえとなり、資金の出どころも銀行からファンドへと変遷し、建物は同じでも名前が変わるホテルが多くなりました。

そして現在。外国人観光客が急増し、新幹線開業によって観光客入込数が過去最高を記録した地方都市に、過去最大のホテル建設ラッシュが始まっています。気が付けば地元資本のホテルはほんの一握り。函館市内で、昭和40年代、1970年頃から名前も経営母体も変わっていないホテルは、当ホテルと湯の川地区の数軒のみではないでしょうか。

今、函館市内では6棟のホテルが建設中の他、分かっているだけで更に数軒、建設予定となっています。買収や運営母体の変更も相次いでおり、2~3年後には我々を取り巻く環境は一変していることでしょう。もちろん、当ホテルは生き延びていく所存です。

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2018年4月17日 (火)

台湾

先週、所属団体の国際会議出席のため台湾に行ってきました。函館と台湾の首都台北近郊の国際空港桃園空港とは、現在エバー航空とLCCのタイガーエア2社で週11往復の便で結ばれており、これを利用して多くの台湾人観光客が函館を訪れています。一方、函館から台湾に向かう観光客はそれほど多くはなく、乗った便の9割方が台湾人のようでした。

かく言う私も、実は初めての台湾訪問。このたびは特殊な旅行でもあったため、それなりの料金でしたが、LCCを利用すれば格安で、かつ直行で便利な身近な国に、もっと早くに行けば良かったと思う次第でした。

Taiw7その台湾。文化的にも近く、それほど見どころは無いのではないかと思っていたのは浅はかな考え。近くても異文化です。当然ながら左ハンドルに海外を感じ、バイクの多さに圧倒され、大都市台北も戦禍に巻き込まれていないせいか古い建物が多く、国内の大都市とは明らかに趣を異にしていました。

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Taiw2歴史的建造物も多く、観光地を巡る前に早朝ジョギングをしてみると、いかにも中華圏といった大きな建物に外国を感じることができました。比較的治安も良く、何より国民が親日的で、日本語を話せる人や、働く日本人も多いので言葉に困ることもありませんでした(もっとも日本語を話せるガイドや現地のメンバーが付きっ切りでしたが)。

国際会議は台北ではなく、台北から高速道路で30分余り、太平洋側にある地方都市宜蘭市で行われました。日本ではおそらくほとんど馴染みはなく、事前に購入した旅行雑誌にも紹介されていないような街でしたが、温泉を核とした観光地で、宿泊したホテルもリゾート感満載。露天風呂付の温泉は南国ムードを漂わせ、日本同様全裸入浴文化らしく、ここは違和感無く寛げました。

Taiw6料理も小籠包はじめ、連日これでもかというくらい中華料理のオンパレード(当たり前か)。いずれも有名な店らしく、十分堪能できましたが、量が多くて五十路の腹には少々堪えました。最後に訪れた夜市では、屋台で何か頼もうかと目算していましたが何も入らず、ただ想像していたのと異なり、食べ物以外の店と人の多さに圧倒され、函館にもここまでとは言わないまでも、夜に楽しめる観光ゾーンがあればと思った次第。


Taiw9_2最後に少し気になったのは、函館の観光オフシーズンとはいえ、飛行機の搭乗率は6~7割ほど。北海道を訪れる台湾人観光客の人気スポットが道東方面に移っているとの情報と合わせ、週11便の直行便が減らされるようなことがあれば、函館観光の打撃になるのは間違いないと不安が過りました。我々函館市民も、近くて便利で魅力ある隣国台湾へ、気軽に行けるということをPRする必要があると感じました。

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2018年4月 2日 (月)

基準年度

国内の多くの企業が3月決算としているなど、日本は4月からが新年度。観光業界も1年というと1~12月より、4~翌3月が基準となります。

Dsc_0050さて、昨年度の函館観光。北海道新幹線開業2年目ということで、開業効果の剥落が懸念されておりましたが、春から秋にかけてのいわゆる観光シーズンは想定していたよりも落ち込みは小さく済みました。数字的には入込は若干落ちましたが体感的にはほぼ横ばい。宿泊業界においては売上が前年を上回ったところも少なくありませんでした。

しかし、安心も束の間、オフシーズンとなる11月以降は落ち込みが目立ち始め、個人的な観測では、特に1月以降は想定以上の落ち込みとなり、通年では当初想定した落ち込み幅、予算通りの数字に落ち着きました。

最も昨年度の、特に函館観光のオフシーズンと言われる1~3月がある意味異常値だっただけで、開業前数年と比較すればまだまだ高い数字。落ち着いてきたという表現が正しいのかもしれません。北陸新幹線の金沢との比較で、2年目以降の下げ幅が大きいと言われますが、向こうは東京から2時間半、現駅に乗り入れるのに比べ、東京⇔函館は新幹線で現実的に4時間半以上。ビジネスでは特殊な場合を除いて飛行機が選択され、観光も開業にあやかったブームが去れば落ちて当然と覚悟すべきです。

ただ、新幹線は海外との航空路線とは異なり無くなることはありません。開業前に比較して、東北圏、北関東からの誘客やインバウンドの選択肢として大きなアドバンテージがあるのも事実です。先日、ある同業の先輩から函館の入込が落ちたっていうけど、道内他地域の同業者に言わせればうらやましい限りだという旨のことを言われましたが、正にその通りだと思います。

おそらく昨日から始まった新年度も、オフシーズンからの流れを次いで観光客の入込は前年比でマイナスの傾向が続くでしょう。開業効果の剥落がほとんど無かった昨年度上期の反動が今年に出るものと思います。ただ、予約の動向などから、オフシーズンほどは大きくはならないものと思います。これぞ開業効果ではない新幹線効果。間違いなくプラスに働いています。今年度のオフも昨年度よりもう少し落ちて普通だと思っています。そして、昨年度より少し落ちた2018年度の函館観光が基準年度となり、その後はこの数字を基準に良いか悪いか判断されるのではないかと想定しています。

もっともこれは観光客入込の話であり、我々宿泊業界個々の施設にとっては大変厳しい時代がやってくることを覚悟しなければなりません。大幅な供給増加です。これから約2年の間にも、わかっているだけで200~300室規模の宿泊施設が6棟建設されることが分かっています。1日あたりの定員が2500名増加すると仮定すると年間90万人分以上、供給数が増える訳です。新幹線が開業した年度でさえ、この数ののべ宿泊者数は伸びていません。

これから仮に順調にインバウンドが伸びたとしても、この数を補うのは容易ではありません。増して、昨年度下期は函館を訪れた外国人観光客の数は、間違いなく前年を下回っているのです。我々函館の宿泊業界は、いや金沢も含め大都市や有名観光地の宿泊業界は、大幅な供給増とともにリーマンショック以来の厳しい時代を迎えることになるのかもしれません。

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2018年2月 8日 (木)

資材高騰

2018renこのたび当ホテルで客室増室を含むリニューアル工事を行うのにあたり、業者から見積書が上がってきました。ある程度覚悟はしていたものの、思ったより高額。前回、大掛かりなリニューアルを行ったのは4年前。この時も同じ業者を通じて行ったのですが、その時と比べて様々な資材が平均で2割ほど上がっていて、その業者も驚いているようでした。

理由は東京五輪にあるようで、現在五輪に絡む多くの施設の建設がピークを迎えており、もの自体が不足気味。敢えて送料を掛けて北海道まで送らなくても、都内需要でいくらでも捌けるとのこと。足元を見られているのでしょうか。

建築資材に限らず、我々の業界では食材、燃料、委託費、人件費とほとんどのものがインフレ状態です。幸い当地、当業界はここ数年恵まれた環境にあって、販売価格に転嫁できていたから良かったものの。この勢いが消費者物価指数に現れないのが不思議なくらいです。

現在、函館ではホテル建設ラッシュが起こっていますが、感覚的に当初予定よりかなり高くつくことになるのではないでしょうか。そんなことをその業者に聞いてみたら、実際、一時工事が中断したり、延期となっている事案も出ているとのこと。さらに、この”未曾有”の人出不足の中、観光客も落ち着いた函館に一気に開業することが可能なのでしょうか。他人事ではなく、単なる競争激化とは異なる未来に不安を覚えます。

損失を被るのは事業者か、投資ファンドか、既存業者か。負けるわけにはいきません。

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2018年2月 3日 (土)

次の一手(2)

偉そうなことを書いていますが、やれることは限られています。当社のような弱小資本の小企業、ホテルを建て替えたり、他社を買収して規模を拡大したくても簡単にできるものではないし、その好機であるとも思っていません。

まずはこのホテルの建物の収益性を最適化し、極力高めること。そして来るべき黒船時代に備え、しっかりとガードを固めておかなくてはなりません。客観的に見ると、この築四十数年のこの建物にはデッドスペースも多く、様々な観点からお金を生む装置へ変更できるのではないかと考えてきました。

2018kaisyu1客室以外で、収益源でありながらそれに繋がっていないのが、客室階にある会議室と、かつて事務所として貸し出していた屋上階のテナントスペース。もともと会議室は、それ自体で稼ごうというより、宿泊するビジネスユーザーに使用してもらう目的で設置していたもの。時代が変わり、ホテルの客層も変遷した現在、その需要も存在意義も薄れてきました。この約50㎡のスペースを、定員6名最大8名以上宿泊可能な大きな和室とすることに決めました。

一見、非効率な部屋と思うかもしれませんが、日本には今、このような大部屋が決定的に不足しています。この業界にいるからこそ分かることですが、日本人に比べて、特にアジア系外国人は多世代、大人数で旅行するケースが目立ちます。当ホテルでも複数名宿泊できる客室を複数単位で予約してくる外国人も少なくはありません。もちろん団体客ではなく、FITのグループや家族です。日本人相手では限られた需要で、常識的にはツインルーム2部屋創った方が効率的に見えますが、そこは弱小ホテルの戦い方。非効率な中にも需要があると踏みました。

新設するホテルは、このような客室は創ってこないだろう・・・と、思っていたら、先日TVで多人数宿泊できる客室を備えた東京の新規ホテルが紹介されていましたが。まあ、あったとしても過当競争にはならないだろうし、人手不足で資材高騰する中建設される施設には、価格面で優位に立てるはずです。

会議室は少ないながらも固定客があり、無くするわけにもいかないので屋上階のテナントスペースへ移設します。軽量のイスとテーブルを新規に購入し、会議のための設置や清掃は業者に委託せずに自前で。床清掃はルンバにでもやらせようと思ってます。

同じく屋上階にあるデットスペースには、当ホテルに今まで無かったランドリー施設を創設。元々、要望があった他、新たに創る大部屋の需要を促すためでもあります。当ホテルは元来、大会や合宿などで利用する学生スポーツ需要も多いのですが、このあたりを更に掘り起こしたいと考えています。

この他、屋上階にはもう1室、12坪、40㎡ほどのテナントスペースがありますが、ここをどのように使用するか現在思案中。函館朝市前のホテル建物内にあるテナントスペース。収益源として様々な使い道があると思うのですが、もちろん需要があれば駐車場付きでお貸しします。

最後は広告にもなってしまいましたが、当ホテル、この先まだまだ営業を続けていくため、常に変化を惜しみません。

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2018年2月 2日 (金)

次の一手(1)

今から約10年前、リーマンショックに端を発した世界的な恐慌は、当地観光業界にも壊滅的な影響を与えました。特に我々宿泊業界は、リーマン前のプチバブルによって余ったお金が、将来新幹線がやってくる地方都市に流れたことで施設が過剰なっていました。そんな環境下での急激な観光客の落ち込みで、倒産や廃業・転業を余儀なくされる同業者が後を絶ちませんでした。

R311全国にチェーン展開するビジネスホテルや、大型ホテルの進出が相次いだ中で、当ホテルのような古く小規模な昭和のビジネスホテルは、まともに戦っていては勝ち目はないと考え、どん底だった2009年、私は大きく方向転換することを決意しました。ターゲットを家族層に絞り、当時進出してきたホテルには無かった定員4名のファミリールームや大きな和室を、シングルルームの替わりに創る投資を行いました(詳しくはこちら)。

R3082010年の改装後、東日本大震災が追い打ちを掛けたものの、この投資が正しかった証として、その後ホテルの売り上げはV字以上に回復していきました。目論んでいた家族層はもちろんのこと、震災後に増加著しかった外国人観光客に和室やファミリータイプが好まれ、2014年以降も再度のリニューアルを行ってその恩恵を確実に享受できたものと思っています。リーマンショック前、シングルルーム中心に45室、典型的な昭和のビジネスホテルだった当ホテルは、見た目はともかく、38室ながら3分の1以上が定員3名以上のニッチな駅前ホテルに生まれ変わりました。

一昨年、函館は新幹線開業と順調なインバウンドの増加により、史上最高の観光客入込を記録しました。築四十数年経過している当ホテルも、まさかの開業以来最高の売上を計上することになりました。開業2年目となった昨年も、懸念したほどの反動は無く、一見、函館観光は順調のように見えます。しかし、現場のイメージは異なります。

特にオフシーズン。11月頃から対前年の落ち込みが目立ち始め、当初は想定内と思っていたのが、徐々に落ち込みの大きさに懸念を抱くようになりました。一番の懸念材料が、ついにインバウンドが目に見えて減少に転じてきたことです。1月だけで見れば、昨年は春節がかかりやむを得ないものとも判断できるのですが、今年の春節がまともに入る2月もどうやら昨年を大きく下回ってきそうな勢いです。まあ、昨年度が異常値であると認識していれば、これも仕方のないことことですが。

おそらく今年は各月、対前年を下回ることが常態化し、少なくとも大きく上回ることはないでしょう。今年に限らず来年以降も。そのような中、函館には現在建設中も含め、6棟もの大型ホテルが進出予定です。当然彼らはインバウンドを主要ターゲットとしており、既存ホテルとは異なり、複数名宿泊できる客室を数多く揃えてくることでしょう。すなわち、ここ数年、ニッチ分野で比較的優位だった当ホテルの特色は目立ったものでは無くなるのです。

さらに、景気サイクルからいっても、いずれ目に見えた不景気が訪れることでしょう。新設ホテルが出揃う東京オリンピック以降も、順調にインバウンドが伸び続ける保証もありません。そんな中、昭和の小さなホテルは生き残れるのか・・・。唯一生き残れるのは強いものでも、賢いものでもなく変化できるもの。その言葉を信じ、次の一手を準備しています。長くなるので、続きは次回に。

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2018年1月 3日 (水)

新年

新年、明けましておめでとうございます。

201801私は、例年通り元日から2日間休ませていただき、本日から通常勤務となります(もちろんホテルは年中無休で営業しています)。この年末年始は比較的気温が高めに推移し、特に元日は函館ではこの時期珍しい雨模様となるなど、12月に例年以上に降り積もった雪も嘘のように、幹線道路は路面が乾いた状態です。

さて、新年。昨年までの3年間、函館の観光業界、特に我々宿泊業界はインバウンドの急増と北海道新幹線開業により、絶好調ともいえる時期を過ごしてきました。しかし、どの世界も良い状況は長くは続きません。事実、想定の範囲内とはいえ、特に昨年秋以降、当ホテルでも入込、売上とも対前年でのマイナスが目立ち始め、その減少幅も大きくなってきています。いわゆる新幹線開業効果の反動減で、今のところこの傾向が続いたとしても、開業前よりは高い水準で推移し、業績的には問題の無い程度ではあるのですが、正念場が”始まる”のは今年の秋以降です。

観光客の入込は良くて横ばい、おそらくジリ貧。新幹線開業時のような大幅な増加が到底見込めない中、我々宿泊業界では客室の供給数がこの秋から一気に増加し始めます。大きな悪材料が無くても、黙っていてはマイナス幅がどんどん大きくなり、早ければ次のオフシーズン、普通に考えて来年は新幹線開業前の入込を下回ってきても不思議ではありません。更に加えて言えば、過去の供給過剰状態と異なるのは、これに人出不足が加わるということです。そして既に様々なコストが上昇している中、売上が減少すれば、リーマンショック時とは異なる、もしかしたらそれ以上の厳しい時代を我々業界は迎えることになるかもしれません。今年は、「良い」から「大変厳しい」に変換する過渡期となるものと考えています。

もちろん、指をくわえて時が過ぎるのを待つ訳ではありません。潤沢ではありませんが、資金があるうちに今年も未来に向けた投資を行います。生き残るためには変化し続けなければなりません。昭和に生まれた小さなビジネスホテルの変遷を見届けて頂ければ幸いです。詳細はいずれ拙ブログで報告します。

本年も宜しくお願い申し上げます。

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2017年12月19日 (火)

ホテル建設ラッシュ

新幹線開業2年目となった今年度の函館。上期、我々業界は立地や規模によって多少濃淡があったとは聞いているものの、宿泊客の落ち込みは想定を下回り、特に函館駅周辺の宿泊施設では、開業年度の前年並みを維持できたところも少なくありませんでした。ここからは、当ホテルのケースですが、観光シーズンピークを過ぎた9月下旬頃から、週ベースで対前年を下回るケースが目に付き始め、10月以降は人員ベースで約10%程度のマイナスとなっています。最も、これが当初想定していた数字で、新幹線開業年度というのが”異常値”であると判断していたならば、驚くべきことではありません。

おそらく、この傾向は来年度まで続き、それでも新幹線開業前よりは高い水準を維持していけるものと思っています。その後、徐々に減少幅が小さくなり、一定水準を保つようになると言いたいところですが、世の中そんなに甘くはありません。

現在、函館駅周辺ではホテルの建設ラッシュが始まっています。

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一番初めに完成しそうなのが、当ホテルから徒歩3分、函館国際ホテルの新棟です(左上)。今年は新館建設に伴う改装で、一部客室をクローズすることになったため、函館駅周辺の宿泊供給数は若干ながら減少しました。このことが、駅周辺施設の新幹線開業反動減による落ち込みを小さくしたことに一役買ったのは間違いありません。新館は来年秋に完成、今度は170室増加して、旧館の一部も復活、470室と市内最大規模のホテルとなります。

同じく当初来年秋にもオープンすると言われていたのが、これも当ホテルからほど近いセンチュリーマリーナホテル(右上)。比較的早く着工していたものの、まだ上物ができていないところを見ると開業時期はずれ込むのでしょうか。一方、高砂通り沿い、大門横丁前では発表から間を置かずに全国チェーンのユニゾホールディングスのビジネスホテル建設が始まっています(左下)。再来年夏の開業と聞いています。そして、その裏手では、これもチェーン展開しているWBFが、こちらは温泉掘削を先行させているようです(右下)。2020年度の開業のようです。これら3ホテルいずれも300室規模の新築です。

この他、函館駅右隣りでは、当初予定より半年遅れ、大和グループが来年春にこれも300室規模のホテルを再来年冬オープンを目途に着工予定。さらに、大小複数の様々な形態の宿泊施設進出の話を耳にしています。

そんな訳で、我々の業界は新幹線開業時のような大幅な観光客増加が見込めない中、供給数のみ大幅に増加して、過去に経験したような厳しい過当競争の時代を迎えようとしています。正念場は来年秋から始まります。もちろん、逃げる訳にはいきません。次の一手を考案中です。

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