函館観光

2020年1月 6日 (月)

淘汰元年令和2年?

新年最初に記す予定だったタイトルですが、年初から暗い話題も何なので一つ遅らせました。

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空前の低金利によって行き場を失ったお金は、企業業績の先行きに暗雲漂う株式市場以上に、リート(不動産投資信託)相場を押し上げました。リートに集まった資金は、人口減少で需要が見込めない住宅(マンション)投資には流れず、インバウンドによる需要増加が見込めるホテル建設のための資金調達を容易にしました。初めは東京、大阪、京都などの大都市圏へ。立地条件の良い場所が無くなると、地方の観光都市へ。投資先が限られるので、従来では考えられなかった低い利回り物件にも向けられています。これが函館のホテル建設バブルの正体です。

何度も記していますが、これは初めてのことではありません。今から12年ほど前、同様な環境下で函館市内には全国区のビジネスホテルや新参の都市型リゾートホテルが進出していました。すべが完成する前にリート相場がピークアウトし、株式市場も低迷する中リーマンショックが勃発。世界的な恐慌にまで発展し、当然のごとく函館観光も低迷、東日本大震災がとどめを刺し、市内多くの宿泊業者が転業、廃業、倒産といった形で退出を余儀なくされました。

足元、まだ函館の観光業界は一見好調を維持しているように見えます。しかし、既に供給過剰気味となっている宿泊業界は、個々の施設レベルにおいて対前年比大幅な落ち込みを見せています。良い時はゆっくりジリジリと上昇していきますが、悪くなるときは急降下を見せるのは株式市場と一緒です。この1月、復興割というドーピングが注入され、閑散期としては記録的な入込の昨年だったとはいえ、おそらく各施設前年比半減、当ホテルも北海道新幹線開業前の閑散期を久々に思い出しているところです。

さて、昨秋、東証リート指数なるものがどうやらピークアウトしていることを気付いている方はどれほどでしょうか。そして大発会当日の今日、東証株価指数も不穏な動きをしています。アメリカ大統領選挙の年は下がらない、オリンピックまでは大丈夫などという論説を目にしますが、このような都市伝説が崩壊するのを何度も目にしてきました。私の目には今、リーマンショック前の2007年から2008年、函館の観光業界が超低迷期に向かい始めるころと余りにも似ているように見えて仕方がありません。

不幸にもこの見方が正しければ、今年は下げの始まり。更なる供給過剰が進む中、一時的にせよ(といっても数年のサイクルにおいて)観光業界も下降局面に向かっていくことも十分に考えられます。マラソンが札幌開催となり期待する声もありますが、結局東京一極集中をわずかに緩和するに過ぎません。多くの国民が首都圏に向かい、首都圏に住む人たちも、その喧噪を逃れるよりは、一生に一度であろうイベントをその目でみたいと思うのが普通でしょう。今年の夏は、繁忙期とならないかもしれません。

そしてこれは序章に過ぎません。あくまで見方が間違っていなければの話ですが、もっとも厳しいのは来年から再来年にかけて。何がきっかけになるかはわかりません。ただ、本当の厳しさの中、淘汰が進み、需給が改善されない限り我々の業界に明日はありません。なので淘汰の波に巻き込まれないよう、この1年、最低限守りの投資を行い、その後は当面財布の紐を固める考えです。何度も経験してきた不況期の乗り越え方。

杞憂であってほしいものです。

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2019年12月27日 (金)

宿泊税に物申す

函館市観光振興財源検討委員会が函館市長に対し、宿泊税導入に関する提言書を提出したことが本日の新聞記事等で取り上げられています。記事の内容を真に受けると誤解が生じるので、一部反論させて頂きます。

まず、一部記事に検討委員長の発言として「宿泊事業者のヒアリングでは定額制が良いと聞いている」とありますが、これは極めてごく一部の意見。そもそも、ヒアリングでは宿泊税導入反対の声が圧倒的に多かったはずです。

それはさておいても、函館の2大宿泊事業者組合”函館ホテル旅館協同組合”と”湯の川温泉旅館協同組合では、仮に宿泊税が導入されるのであれば定率制にすべきであるとの共通認識を持っています。と、言うのも市が目論んでいる1人200円という定額税額では、低価格帯の宿泊施設にとって著しく不公平な税率となってしまうからです。特に地元資本の中小規模の宿泊施設の価格帯は低い傾向にあり、1室複数名宿泊する客室では一人当たりの料金では2000円台というところも珍しくありません。これに定額の200円の税金となると、10%近い税率となる訳です。一人1万円以上とるような施設ではわずかな税率となるかもしれませんが、低価格帯の施設にとって経営に影響が出るレベルです。

第三者的には、宿泊税は泊まった観光客が払うのだから関係ないように思われるようですが、現実的には税込料金が宿泊料金となり、価格競争厳しい世界において、結局宿側が負担すると言って過言ではありません。百歩譲って、定額制とするとしても、東京都のように一定額以下は免税とする免税点を設けるか、1万円未満は100円、それ以上は200円といった累進制にしない限りは、認めないことを申し合わせている次第です。

もうひとつ懸念されるのは、記事に書かれている通り北海道との二重課税です。ただ、これについては先般ニセコ町が定率制での導入を撤回し、導入時期も延期しました。道との歩調を合わせるため、道もしくは総務省から何らかの圧力があったものと考えられ、函館市も独自で勝手に進められないだろうと憶測しています。おそらく、将来的には道主導で、一定割合を徴収自治体に還元するという形になるのではないでしょうか。2月の市議会で、導入時期を強引に承認しないようには働きかけていこうとは考えています。

我々業界としても、全国的な流れから何が何でも宿泊税反対という訳ではありません。市が拙速に進めて二重課税や不公平税制になったり、他地域との競合に不利な状況になることだけは避けたいと考えているのです。更に大きな問題はその用途です。これも委員長の発言として「導入されれば、他の財源が不足する施策に予算を回すことができ」と記事にありましたが、これが事実とすればとんでもないことです。宿泊税は目的税であり観光に特化したものに使われなくてはならない税金です。既存の観光予算と別枠で、”増税分”を観光目的に使われるべき財源なのです。

さて、将来的に導入された場合その使途は我々宿泊業界も交えて検討されるものと考えていますが、個人的に要望すべきことは決まっています。これから訪れる函館の宿泊施設の超供給過剰状態。多くの施設が生き残るためには、年間の宿泊客数が3割以上増加しなければ厳しいと考えています。そのためには小手先のイベントや既存施策の上積みではどうにもなりません。函館に更に多くの人を呼び込むために必要なのはコンベンションセンター。できれば緑の島あたりに大規模な展示会やコンサートなども行えるホールに会議棟を備えたコンベンション施設を建造できれば理想です。それが難しければ、市民会館の小ホールの入った棟を取り壊し、国際会議も可能な本格的会議棟を建設できないものでしょうか。函館アリーナと市民会館、これに本格的会議棟が揃えば、使途に制限があるとはいえ、現在以上にコンベンション機能が拡充され、多くの会議を誘致出来るはずです。函館にコンベンション需要があることは、スポーツ施設の函館アリーナが会議の一端として想定以上に利用されていることで証明されています。

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建設費用の返済を毎年集まる億単位の宿泊税をその財源にあて、イニシャルには過疎債など利用すれば決して無理な話ではないと思います(画像は沖縄コンベンションセンター。このような施設があるのが理想です)。将来的に、次の世代を担う議会や首長に働きかけていくことが、今後の私の使命になるかもしれません。

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2019年12月19日 (木)

これから起こること

この1~2年、同業以外の市民から幾度となく同じことを聞かれました。「こんなにホテルが出来て大丈夫か」と。業界を代表してお答えします。大丈夫ではありません。

北海道新幹線の開業とインバウンドの急増が重なって、我々函館の宿泊業界は昨年までの3年間、想定以上の良い思いをさせていただきました。その3年前は、函館はホテルが足りない、ホテルを建てたら儲かる等々よく言われたものです。今、建てているホテルはそれを実践したに過ぎません。皆が皆、同じ方向を向いた時にバブルは発生します。

今年の函館観光、明らかに頭打ちになっていますが、それでも昨年までの余韻を引きずっています。この12月、昨年は胆振東部地震対策として実施された”復興割”特需で記録的な入込だったことから、大きく落ちるものと想定しておりました。ところが意外にも全体的には健闘しており、市内観光施設では今のところ前年並みを維持しているところもあるようです。しかし、市内宿泊施設は想定通り厳しいマイナス局面となっています。いや、観光客の入込が落ちていたらもっと厳しいことになっていたはずです。

昨年同期と比較して、駅周辺には大型の施設が4棟ほど増えています。客室数で1150、定員ベースでザックリ2500人程でしょうか。概ね函館市全体の約1割に相当します。単純に入込が前年並みとしても、既存施設の入込は1÷1.1で10%ダウン。ただこれは函館駅周辺に出来た施設で、同じ環境下にある既存施設への影響はこの程度ではありません。事実、当ホテルも昨年対比では3割近い落ち込みです。最も昨年12月はこの月としては開業史上最高の売上でもあったので、想定をやや上回る程度の落ち込みではあります。

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問題は、施設の増加はまだ序章に過ぎないということです。当ホテルから見える範囲でも2棟の大型ホテルが建築中(写真)で、市内全体でみれば更に3棟、そして複数の建設予定が確認されています。身の丈に合わないというのはまさにこのこと。新設ホテルは自分は大丈夫だろうと思っているのでしょうが、さてどうでしょうか。

正に異常とも言えるバブル状態ですが、これは初めてのことではありません。今から十二、三年前、当地では全く同じようなことが起こっていました。実感の無い景気回復と呼ばれたその末期、低金利で行き場の無くなった投資ファンドの金が、将来の新幹線開業を当て込んでこの地に流れてきたことを覚えている人はどの程度でしょう。そして起こったリーマンショック。幸か不幸かそのお蔭で、複数のホテル建設計画がとん挫し、辛うじて生き残ったところだけが新幹線開業の恩恵を受けました。

しかし、それでも至った供給過剰に、多くの同業が倒産、転業、廃業で淘汰されていきました。当時は地元資本の宿泊施設が倍はあったでしょうか。今は数える程度に減ってしまいました。そしてこれから同じようなことが起こるのです。現在もまた記録的な低金利。以前では考えられないほどの低利回りでも投資しようという動きが函館のホテルバブルを生んでいます。歴史は繰り返す。これから起こるであろうことは、約10年前「供給過剰」というタイトルで記事にしています。

私は12年のサイクルを信用しています。良い時も悪い時も続いて3年。様々な占いにも使われているようですが、自分の人生に当てはめてもその通り。1年12ヶ月も必ず四季があるように、冬が来れば春もやってきます。これから3年は冬の時代。何もなくても厳しい中、天災やリーマン級も覚悟すべきと思う次第です。追い風が吹いているときは、誰もがうまく行くところです。逆風の時こそ経営者の真価が試されるというもの。この生業を今後さらに続けるべく、知恵を絞る時がやってきました。

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2019年12月10日 (火)

6月対策

東京オリンピックのマラソンと競歩が札幌開催となったことで、函館の観光関係者の立場として期待していたのは、競技観戦客の還流よりも、札幌の関係者には申し訳ないながら、同時期に札幌で行われるイベントの代替開催です。その目玉と思っていたのが中央競馬の札幌開催だったのですが、思惑通り・・・とはいきませんでした。7月下旬から8月上旬の開催は函館に振り返られたものの、6月函館開催分が札幌開催となりました。考えてみればそりゃそうでしょう。札幌の観光関係者にとってオリンピック期間中、むしろ観光客に敬遠されるリスクがある中、絶対的集客イベントが削減われたら弱り目に祟り目。当然、我々の都合の良いようには働きません。

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その他スポーツ大会などが振り替えられる可能性はありますが、この競馬開催期間の変更がマイナスに働きそうなのはむしろ函館側。何分、7~8月の週末は来年予定される4連休も含め、競馬開催がなくとも満室が約束される繁忙期。ホテルが増えたとしてもこの時期だけは大丈夫と踏んでいます。一方、6月というのは競馬が無くなってしまえば端境期。大幅な客数減は避けられません。今のうちから何とか手を打たねばなりません。

そこで、お願いしたいのは来年7月5日開催予定の2020函館マラソン開催予定日を1週間早め、競馬開催のない6月最終週の日曜日への変更です。もう実行委員会で決定したから変えられないなどと固いこと言うなかれ。カレンダーすら出来上がっている競馬開催日程を替えるよりははるかに容易なことです。宿確保も容易になり、供給過剰に悩む函館の宿泊業界にも1日満室日が追加となる朗報となるはずです。私は既に実行委員会から外れており、物を申せる立場にはありませんが、関係者の皆様には是非ご一考願いたいところです。

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2019年12月 7日 (土)

入込増宿泊者数減 ~函館市観光客入込推計~

昨日函館市の今年度上期観光入込客推計が公表されました。新聞報道では3年ぶりに増加に転じたことが強調されていますが、細かく見ると鵜呑みにできない点も散見されます。

今年度上期(4~9月期)、函館市への観光客入込数は18万8千人(5.8%)程増えました。ただ、このうち若松埠頭暫定利用開始によるクルーズ船の増加による入込増が約13万人。また、昨年9月胆振東部地震により極端に落ち込んだ反動も13万人あり経済効果的な体感は横ばい、もしくは微減といったところでしょうか。クルーズ船の観光客は、宿泊を伴う観光客に比べ地域にお金を落としません。

外国人の入込もクルーズ船の影響が色濃く出ています。大きく伸びているのはアメリカ、中国、そしてその他に分類される地域の外国人です。この多くはクルーズ船観光客と見て良いでしょう。その他の国々は軒並み数字を落としています。また、”大票田”台湾の落ち込みをエバー航空ストライキの影響と論じていますが、それだけではありません。以前も記した通り、台湾客は昨年度下期から減少傾向が見られており、当ホテルにおいてもエバースト以前から大幅な落ち込みが見られ、その傾向は現在も続いています。

鉄道による入込が増えているのには意外感がありましたが、これは絶好調だった10連休のGW期間中の利用と、昨年9月の反動で説明がつくと思います。宿泊者数が減りながら延べ宿泊人数が増えていることについて、宿泊数が伸びたからと結論づけていますが、どうも単月レベルで特殊要因があったのだろうとデータ上では見てとれます。傾向として続いている訳ではありません。また、昨年データに無かった新設施設が加わったことで、データの持続性にも疑問が生じています。細かくは申しませんが、当地に限らず観光のデータは宛にならない点が少なくありません。

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さて、何を申したいかというと、我々宿泊業界にとってはこの上期、良くて横ばい実質微減の中、昨年上期に無かった2棟の大型施設と多数の小規模簡易宿所の増加により、個々の施設レベルでは報道されない厳しい対前年マイナスとなっていることです。そして大型の宿泊施設の開業はこれから本格化していきます。延べ宿泊客数が5%や10%伸びたとしても、既存施設はとても前年レベルを維持できない供給増加時代が始まるのです。

一頃、観光公害が問題となった京都では、宿泊施設が増えすぎて、行政は逆に規制を強化したことで簡易宿所の廃業が増加しているとの報道を目にしました。当地の同業は、インバウンドバブルは終了したと言っています。バブルの終了は崩壊を意味します。函館のホテル建設バブルはこれからどうなるのか。私の目からは、大変不安を感じる今上期の観光入込客推計でした。

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2019年12月 3日 (火)

パブリックコメントって?

観光振興財源検討委員会の検討内容に対するパブリックコメントが公表されました(こちら)。

軽くイラッときたのが、私の意見の一部。

「宿泊業者にとって最も懸念していることは、支払うのは受益者(宿泊客)ではなく、結局は事業者になるということである。北海道新幹線開業年度をピークに観光客の入込は漸減傾向にあり、増して今年度は開業効果が薄れ、インバウンドを始め宿泊客の減少が加速している。加えて周知の通り、函館市内では複数の大型宿泊施設が建設中で、極端な供給数の増加が低価格競争に繋がることが目に見えている。その中での課税は、結局施設の利益を圧迫することになる。消費増税間もない段階での更なる課税は、特に地元資本の中小事業者にとって死活問題である。何の配慮も無いのなら断固反対の立場を取らざるを得ない。」

と、投書したものが意見の概要として

「宿泊業者にとっての懸念は、宿泊税を支払うのは受益者である宿泊客ではなく、結局は事業者になるということであり、観光客の入込は漸減傾向にあり、インバウンドを始め宿泊客の減少が加速している中で、新たな宿泊施設の建設による供給数の増加は価格競争に繋がることは目に見えており、消費増税間もない時期での課税は利益圧迫となり、地元資本の中小事業者にとって死活問題であるから、何の配慮も無いのなら断固反対の立場を取らざるを得ない。」

と、書き直されていること。上の文章を内容を変えずに○○文字以内に書き直しなさい、という問題の答えだったら間違いなく0点です。余りにも文章が稚拙すぎ。何らかの意図があるとは思えませんが、こんなわかりづらい文章にするならそのまま載せろ!!

まあ、これはどうでも良いでしょう。

別の意見。

「宿泊税は近年、京都や大阪、金沢など大都市や観光都市での課税が増えてきているが、増税分を修旅や合宿への助成や違法民泊対策、トイレの増設や清掃回数増加など、より具体的に宿泊増加や観光環境対策に繋がる施策を示した上で実施している。一方、函館市の場合は何ら具体的な使途を示さないままで、新聞報道等からは増税分が観光対策以外に使用される疑念を抱かざるを得ない。」

に、対する検討委員会の回答。

「宿泊税の使途については、第2回検討委員会における「資料2」の8ページに、現行の観光施策に加えて、今後、新規または拡充し取り組む施策の方針が記載されております・・・。」

資料2の8ページがどこにあるのか?一般の人は目にすることができません。公表の意味があるの?しかもこれ、宿泊業界からの指摘で、後からとってつけたような抽象的なもの。納得いくものではありません。

さらに、

「北海道も宿泊税導入を検討しており、両者調整の無いまま函館市が先行して宿泊税を徴収した場合、将来的に市と道の二重課税になり兼ねない。事業者にとって更なる増税のリスクを残した段階での拙速な決定だけは何としても避けてもらいたい。」

については

「これまでの検討委員会におきまして、北海道の検討状況も踏まえ、宿泊客に過重な負担とならないよう、北海道と情報交換、競技を適宜行うよう提言を取りまとめたいと考えております。」

と、しておりますが、市長は「道から市に正式に報告はなく、導入している市町村に『上乗せしてください』という話ならお断りするしかない」(11月29日函館新聞)と語っており、我々、戦々恐々といったところです。

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市は、一人あたり定額の200円徴収の方向で、外部の意見に耳を傾けることなく進め、初めから2月の議会で通す方針のようです。ただ、この200円、現在、函館の宿泊施設の一人当たりの宿泊単価、複数人宿泊する客室の場合2000円台というところも少なくありません。10%近い税率を簡単に納得して頂けるでしょうか。いや、結局負担するのは価格競争が始まった我々宿泊業者なのです。

我々も絶対宿泊税は嫌だと言っているのではありません。市より上の道が検討している以上、二重課税だけではなく、徴収制度の煩雑さを考えても、拙速に市の徴収を進めるのではなく、道の方針の下、75%なりの自治体への還付、免税点の設定といった制度設計を我々業界とともに進めた方がお互いの為になると思うのです。

このパブリックコメントはどういう意味があるのか?一応、市民の意見を聞きましたという言い訳づくりにしか思えません。

市にものを言っても暖簾に腕押し。作戦変更。この街の議会が機能するかどうかの検証となるかもしれません。

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2019年11月30日 (土)

IR誘致見送り

しばらくブログを更新していなかったこともあって、本日から開催される「はこだてクリスマスファンタジー」をネタに綴ろうかと思っていましたが、昨日、北海道がIR誘致を見送ったことに対し、私も地元紙に取材を受けて意見を述べたことが記事にもなったので、誤解の無いよう掘り下げることにしました。

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北海道新聞函館版に記載された私のコメントは短くまとめられたこともあって、若干ニュアンスは異なりますが、記者が意図していたものを”裏切る”意見を述べたのは事実です。おそらく記者は、道がIR誘致を断念したことで、その観光波及効果が期待できた函館の観光業界関係者は残念に思うコメントを取りたかったのだと思います。

聞かれてまず返答したのは、初めから期待していなかったということ。と、言うのも今回の判断は誘致決定か否かではなく、あくまで立候補であり、普通に考えると首都圏や関西圏の候補地と比較して政治的にも不利は否めないところで、事実、我々業界でこの話題で盛り上がったことなどありません。

また、いつのころからかカジノからIRに名前を変えた施設がどのようなものか知る人であれば、波及効果なるものはそう単純ではないと思うはずです。カジノを核にしたIRは海外の巨大資本が中枢を担うことが必至であり、IR内には最大級のコンベンション施設はもちろん、複数の大規模宿泊施設、ショッピングモールなども入り、波及どころか囲い込みを図ることが予想されます。これには地元苫小牧の一部経済界も懸念を示していました。自然破壊、ギャンブル依存以上に懸念される問題です。札幌圏はある程度恩恵受けるかもしれませんが、仮にIR誘致となれば、経済のみならず観光においても更には雇用においても、北海道は道央一極集中を加速させることになりかねません。

そのような意味においても、国内最初の巨大IRが他地域に建設されたときの周辺への影響を見極めた上で、今後誘致すべきかどうか判断するとした知事の判断は真っ当だと思う次第です。IRは何も無い場所を活性化させる手段の一つであり、観光資源が豊富な地域の誘客手段には向かないというのが、異論もあるかもしれませんが私の考えです。

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2019年10月18日 (金)

マラソンあれこれ

東京オリンピックのマラソン競技の札幌開催が急転直下決定しました。関係者の皆様は大変でしょうが、北海道民にとっては少しばかりグッドニュース。我々観光業界にとっても、来年の夏は国内外の観光客が首都圏に流れるものと悲観していたものが、少しは道内に還流することが期待できるようになりました。また、本番の約1ヶ月前に行われる函館マラソンには、ハーフの部に調整として国内外のオリンピック出場予定選手が参戦するかもしれません。そうなれば、知名度上昇中の当マラソンの注目度が一段と高まることは間違いありません。・・・願望ですが。ちなみに、函館マラソンのコースはフル・ハーフともに国際陸連公認コースです。

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市民マラソンランナーの立場からは、この決断は大正解だと思います。真夏の早朝、皇居外周をジョギングしたことがありますが、携帯していた500mlのペットボトルの水は最初の1周(5km)で底をつき、あと1周は何とかなると思っていたものが、半周いかないうちにヤバい状態に。大袈裟に言えば生命の危機を感じながら、コースを外れて自販機にたどり着き、追加の500mlを一気飲み。さらに一本購入して、フラフラになりながらホテルに帰ったのを記憶しています。暑さもそうですが真夏の東京は湿度が半端ありません。MGCが台無しだとか、暑さ対策のやり直しが必要とか言ってるコメンテーターがいましたが、MGCの環境と札幌の真夏は同じくらい、真夏の札幌も十分な暑さ対策が必要です。逆にMGCが行われた環境と、真夏の東京は全く別物で、MGC上位入賞者が必ずしも適しているかどうかは分かりません。

さて、市民マラソンランナーの私はこの週末、マラソンには最適の気候の北海道を抜け出して四国は高知県で行われる四万十川ウルトラマラソンに参戦してきます。ウルトラと言ってもメインの100kmではなく、初心者コースの60km。ウルトラ挑戦は2度目ですが、前回はアップダウンのきつい富士五湖コースを51kmでリタイヤ。今回は平坦コースで、マラソンのトレーニングがてらの前回とは異なり、ここを目標としているのでしっかりと完走したいと思っています。そして、いつかは100kmと、自分の限界に挑戦してみたいと思う次第です。

走り始めて14年。年齢とともに目指すはタイムより距離に変わりつつあります。結果は如何に?

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2019年10月16日 (水)

函館市宿泊税導入に関するパブリックコメント

本日、函館市より観光振興財源に関する宿泊事業者との意見交換会という名目で案内が送られてきました。残念ながら私は両日とも既に予定が入っており出席できません。今のままでは他都市の事例を模倣して、出来レースで宿泊税導入に至ってしまいそうな勢いなので、パブリックコメントを提出することにしました。私の意見が抹殺されないよう、提出した原文のまま公表致します。

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このたびの函館市による宿泊税導入の検討は、あまりにも唐突な感じで正直途惑っている。宿泊税に関しては、北海道も先に検討に入っており、こちらは事前に、宿泊税を導入する場合の問題点や、導入後の施策について、個々の施設に対しヒアリングがあったが、函館市の場合はまず増税ありきの感が否めない。

宿泊業者にとって最も懸念していることは、支払うのは受益者(宿泊客)ではなく、結局は事業者になるということである。北海道新幹線開業年度をピークに観光客の入込は漸減傾向にあり、増して今年度は開業効果が薄れ、インバウンドを始め宿泊客の減少が加速している。加えて周知の通り、函館市内では複数の大型宿泊施設が建設中で、極端な供給数の増加が低価格競争に繋がることが目に見えている。その中での課税は、結局施設の利益を圧迫することになる。消費増税間もない段階での更なる課税は、特に地元資本の中小事業者にとって死活問題である。何の配慮も無いのなら断固反対の立場を取らざるを得ない。

また、前述した通り北海道も宿泊税導入を検討しており、両者調整の無いまま函館市が先行して宿泊税を徴収した場合、将来的に市と道の二重課税になり兼ねない。事業者にとって更なる増税のリスクを残した段階での拙速な決定だけは何としても避けてもらいたい。

宿泊税は近年、京都や大阪、金沢など大都市や観光都市での課税が増えてきているが、増税分を修旅や合宿への助成や違法民泊対策、トイレの増設や清掃回数増加など、より具体的に宿泊増加や観光環境対策に繋がる施策を示した上で実施している。一方、函館市の場合は何ら具体的な使途を示さないままで、新聞報道等からは増税分が観光対策以外に使用される疑念を抱かざるを得ない。

宿泊税の導入を検討するのであれば、以上に対する明確な答えを提示した上で、時期を急がず、より慎重にその可否を判断してもらいたい。

さて、私の意見は反映されることになるのでしょうか?

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2019年10月13日 (日)

インバウンド激減!?

北海道新幹線開業から4年目を迎えた今年度、観光客の入込みに明らかな変調が見られることは以前も記しました。もちろん、昨年度に比べ大型のホテルが2棟営業を開始していることや、合法違法を含め民泊やドミトリーなどの簡易宿所登録をしている施設が増加していることもありますが、こと宿泊に関してはその絶対数が減っていることは間違いないと思われます。そしてその根拠というのが、インバウンド、外国人観光客の宿泊が目に見えて減っていることです。

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上のグラフは、上半期(4~9月)に当ホテルに宿泊した外国人の比率を年度ごとに比較したものです。これは当ホテルに限ったことでも函館に限ったことでもありませんが、国策もあって5年程前から急激に外国人観光客が増加してきました。これがここ数年、北海道新幹線開業とともに函館の観光業界を支えてきた2大要因でもあります。当ホテルでは新幹線開業年度に上期ではその比率が25%を超え、通年では4割に迫りました。その後上期では頭打ちに見えますが、これは新幹線開業で高稼働の中、国内客も増加したためで通期では増加基調が続いていました。

それが今年度になって激減と言える落ち込み。実数ベースではこの上期、対前年で4割以上の減少となっています。この9月も、昨年は胆振東部地震の影響から宿泊客が落込んだせいで、全体では前年と比べ30%以上宿泊客数を伸ばしていますが、外国人観光客に限ると逆に7割減という”異常事態”です。

よく、韓国との関係悪化から韓国人観光客が落ち込んでいるのではないかと聞かれますが、元々函館は韓国人観光客の比率が小さく、こちらはほとんど影響がありません。調べてみると、最も落ち込んでいるのは当地にとって”大票田”だった台湾や中国、香港といった中華系の観光客の落ち込みが際立っています。エバー航空のストライキも一つの要因でしょうが、ストの前後も傾向が続いているため、それが主因ではなさそうです。10月、例年国慶節で中華系観光客を期待できる期間も、今年は皆無に近い状態ではっきりとした要因がつかめないのが現状です。

一時的なことなら良いのですが、函館の観光業界を支えてきた、いや依存してきた外国人観光客が頭打ち、そして減少に転ずるとなると、より依存度が高いオフシーズン、そしてその増加を見越して一気に宿泊施設が増加する来年以降、ここ数年とは状況が一変することも覚悟しなければなりません。

元々、インバウンドというのは何かが起きれば激減するのを何度も経験してきました。特別な悪材料が無くても、むしろここ数年、函館がそして北海道が中華圏の人達にとってブームとなっていたのかもしれません。特定の国の観光客が突然増えたり減ったりするのは良く聞くことです。道内の同業に聞くと、インバウンドの団体客に依存していた施設ほど今年の落ち込みが大きいとのことです。

日本を訪れる外国人に変調が無ければ対策はとれると思うので、各機関が発表するインバウンド関連の数字を注視していきたいと思います。

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