この1年、様々な物の値上がりを実感していることと思います。コンビニやスーパーで売られている品々、ラーメンや蕎麦など比較的安価な食べ物の値段は2年くらい前と比較すると、思っていた以上に値上がりしていることが分かります。
日本は長年苦しめられてきたデフレの時代からインフレの世界へと変わりつつあります。それは決して悪いことではないのですが、その過渡期には様々な副作用を生むことになります。我々の業界で言うと、既に10月の最低賃金の上昇に向けて、委託業者などからの値上交渉が始まっています。便乗値上ではないかと思うような値上幅を要求してくるところもあり、当然抵抗しています。また、重油や電気代など光熱費も過去最高ではないかという価格となっており、客足は足下好調ながら出費の大きさに頭を悩ませているところです。
宿泊業界は比較的インフレに強い業界で、価格転嫁は他の業種より容易であるとも言われています。事実、コロナ禍だった昨年度までだけではなく、既にコロナ前よりも全国的に宿泊単価は上がっているはずです。特に最近は”AIを駆使した”と似非コンサルタントが言ったかどうか、周辺施設の稼働や宿泊価格によって極端に単価を変動させる施設も増えており、とくに繁忙期などはこの施設がこんな値段で良いのだろうかと思う同業も散見されます。もちろん、当ホテルはそこまで極端な価格変動は行っておりませんが。
いずれにせよ、様々な物の値段が上がっている以上、宿泊単価はおそらくコロナ前以下に下がることはないでしょう。これがインフレというものです。但し、単価が上がって喜んでいられるのも安定した集客があればこそ。急激なインフレにより、世の中の活動が停滞するとそれは景気低迷に直結します。既に実感されている方多いと思いますが、当地区ではコロナ前に予定されていたホテルを始め、多くの建物の建設が中止や延期に追い込まれています。様々な資材が高騰し、当初予定していた価格では建設出来なくなっているのです。

目先、インフレは治まることはありません。金利上昇余地を残す米国と、上げることが出来ない日本との金利差で、そう簡単に円高に戻ることは無いでしょう。物価は為替に遅行します。エネルギーや様々な食材を輸入に頼っている国内の物価上昇は、むしろこれから加速すると見ています。インフレにより、景気が正常化していくのは、大きな落込みがあった後と思うところです。足下好調の今、油断禁物です。
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