長万部のかにめし
特急「スーパー北斗」を利用して札幌に行くとき、私は必ずと言って良いほど途中駅の長万部(おしゃまんべ)で売っている駅弁の「かにめし」を車内で買って食べます。思えばこの駅弁に出会ったのは物心ついた幼稚園の頃でしょうか。後志管内にあった母方の実家に遊びに行くとき、当時小樽経由札幌行きのSLに乗って倶知安(くっちゃん)駅に向かいました。この途中に食べたのが最初だと思います。それ以来、子供の私の三本の指に入るおいしい食べものは、ハンバーグ、うな重、そしてこの長万部のかにめしでした。
長万部のかにめしは、長万部駅前にある「かなや」という食堂で販売されているものを弁当にしたもので、ごはんにびっしりと乗せられたカニの身と、小さくきざんだタケノコの絶妙の風味と歯ごたえがたまりません。子供の頃と変わったのは、値段としょっぱすぎた漬物がマイルドになったところだけでしょうか。駅弁ながら出来立てでごはんがあたたかく、鮮度が命だけに賞味期限が数時間と短いのが特徴です。
道南ではおそらく知らない人はいないこの「かにめし」。道外の方、函館・札幌間をJRで移動される機会があったら是非お試し下さい。北海道の物産展で各地のデパートで販売されることもあるようです。