年齢を重ねるごとに時の経過が早く感じるのは誰もが一緒のようですが、気が付けば今年もあっと言う間に年の瀬を迎えています。本格的な脱コロナ初年度、宿泊業の立場から改めて今年を振り返ってみたいと思います。
新年度となった4月、新型コロナが5類に引き下げられるのを前に、明らかに前年とは雰囲気が異なっていました。桜が早く開花したことに加え、当ホテル的な特需もあって、単月で早くもコロナ前の入込みを上回りました。政府は敢えて5類引き下げをGW後に設定したようですが、それとは関係なくGWは活況。その後、多少浮き沈みはありながら、新年度を前に回復を見込んで立てた今年度予算を上回って推移していました。やや、誤算だったのは、思ったほどインバウンドが回復してこないこと。クルーズ船の寄港が順調で、市内では外国人の姿が目立って増えはしたものの、彼らは宿泊しません。なので、市内有名観光施設や飲食店ほど,我々の業界はその恩恵を受けてはいません。
一方、トップシーズンは医学系学会やインターハイといった大型コンベンションが相次ぎ、平日でも市内全体が満室となることも多く、単価上昇とともに想定を上回る売上を計上できました。また、当ホテル的には特需的な要素もあって、シングルルームの稼働が好調に推移しました。これは、人手不足により、一部客室数が多いホテルで全客室を販売できない状況もあった影響ではないかと推測しています。逆に当ホテルの特徴でもある、1室4名以上の定員を擁する広い客室の稼働は、インバウンドが戻らないこともあって思ったほど伸びていません。これには、コロナ禍中に建設された複数のホテルが、インバウンド需要を見越して同様の客室を増やしていることに影響されている部分もあると思っています。
更なる誤算は、11月以降、オフシーズンになっても一向にインバウンドが増えてこないことです。函館空港の国際線は少しずつ増えてはいるものの、今のところ団体客が中心で個人旅行の需要まで受入れられる状況ではありません。他施設の状況を聞いても、インバウンドの団体を受入れている比較的大きな施設の一部にはコロナ前並にインバウンド比率が高まっているところもあれば、当ホテルのように少ないままのところも多いようです。それでも、皆無に近かった前年度と比較すれば何十倍にもなるのですが。
そんな訳で、クリスマスファンタジーが開催された当月まではそこそこの稼働を維持することができたものの、”本格的オフシーズン”となる1月2月の予約動向は寂しい限りです。早くコロナ前レベルまでインバウンドが増えてくれなければ、年度を通してコロナ前に戻るのは難しいかと考えるところです。
様々なものの値上がりを考慮すると、先々に不安を覚えるところではありますが、戻り基調は不変です。より良い来年に期待して年を越したいと思います。
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