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2023年3月10日 (金)

新幹線乗入れ再考(2)

以前、わずか80億円程度の予算で、現函館駅に新幹線乗入れが可能となる旨の記事を見つけ、拙ブログで紹介したことがありました。是非ともその提唱者の話を聞きたいと思っていたのですが、それが実現しました。元鉄道建設公団の重役を務めていた方で、函館市内で行われた新幹線フォーラムの講師として呼ばれたのですが、事前に主催者側に案内され、挨拶させていただきました。意外だったのは、私が書いたブログを読まれていたことで、その記事のコピーまで持参されていたことです。

さて、本題です。内容を要約すると、新函館北斗から函館駅までの線路を、秋田新幹線などのように三線軌道にするだけで、新幹線が函館駅まで乗入れることが可能で、その額は推定75億円程度とのことです。しかも、秋田新幹線のようなミニ新幹線だけではなく、フル規格の新幹線も乗入れ可能なのだそうです。ただし、この間の速度は新幹線規格では無くライナーレベルにはなるのですが、少なくとも札幌まで乗り換え無しで新幹線で往来できれば、その効果は甚大です。更に2編成くらいミニ新幹線を製造し、東京まで1日4往復程度でも直通で新幹線で往来できるようになれば、函館市にとってその経済効果は図りしれません。それが当初言われていた1000億ではなく、”たった”75億で出来てしまうのです。

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問題は、三線軌道にするのに電車が通らない夜間のみ工事をすると約5年の工期がかかること。札幌延伸までの期間を考えると、この1,2年のうちに函館駅新幹線乗入れを決めなければなりません。少なくとも金額的なことは考える必要はありません。仮に「はこだてライナー」が3セクとなった場合、これも仮に工事予算75億が100億になったとしても、将来的な市の負担は前者のほうがはるかに大きくなるとのこと。

あまり知られていませんが、保線(鉄道設備の維持管理)には複雑なルールがあり、仮に「はこだてライナー」が3セクになると、ディーゼルの貨物には保線の義務が無くなり(電化していないため)、すべて3セクが負担しなくてはなりません。あるJR関係者の話では、3セクの赤字を減らすためには、新函館⇔函館間を単線にして、電車をディーゼルに戻す必要があるとか。これもあり得ない話ではありません。

あとは如何にJR北海道を説得できるか。これには、市民の機運を盛り上げ、政治を動かす必要があります。函館の将来のため、私は経済界の一人として役立てないものかと考えた次第です。地方の観光都市に交通の便は不可欠です。人口減少に悩むこの都市を救うのは交流人口。函館が世界的な観光地と評価されるようになれば、鉄路の採算は不問でしょう。金沢や長崎に遅れをとるわけにはいきません。

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