インフレ序章
私がインフレを経験したのは今から50年も前の幼少時代。ソフトクリームの値段が2倍、3倍になっていくのを目の当たりにし、子供ながらに物の値段は上がっていくものなんだと感じていました。
今世紀に入り、日本では物の値段は全く上がっていません。これは世界的に見て極めて異例なことです。加えて、昨今の円安で”日本の物”の安さが際立っています。これは当然是正される方向に向かいます。
このところエネルギーや食料の価格上昇が際立っていますが、当ホテルにおいてもリネン関係等の値上げ要請が始まり、今月請求が来た電力料金は、過去にないくらい高額で驚いていたところです。また、このたび最低賃金が大幅に引き上げられましたが、秋以降、様々な物やサービスの値段に少なからぬ影響を与えることは必至です。
世界的には一頃より原油価格が落ち着き、ウクライナ戦争の影響も織り込みつつあるように見えますが、基本的にトレンドは変わらないと見ています。資源に限りがある中、世界の人口は増え続けているからです。
加えて日本には前述した通貨安という特殊な事情があります。現在、国内においては土地の値段が底堅い動きとなっています。これは自国通貨からみた日本の不動産の異常な安さに気付いた外国人投資家が動き始めている証左でしょう。これは不動産に限ったことではありません。円安に歯止めがかからない以上、物価の上昇を止めることはできません。小手先のガソリンや小麦の価格抑制策など一時凌ぎにしかなりません。今の日本政府、そして日本銀行にはその手立てが無いのです。金利を上昇させるという選択肢を持ち得ていないからです。
インフレは決して悪いことばかりではありませんが、今の日本においては大きなマイナスインパクトとなるものと考えます。多くの人が経験していない急激なインフレ、あるいは意図しない金利上昇は一時的にせよ日本経済に大打撃を与えるのではないかと思うところです。
アフターコロナも決して楽観できるものではありません。
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