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2020年3月

2020年3月28日 (土)

苦境半年・回復2年

薄々こうなるだろうとは思っていましたが、GW前半の目玉イベントであった矢沢永吉LIVEの中止が決定しました。これで新型コロナショックの影響がGWまで及ぶのは必至の情勢となりました。

それどころか、GW後の予約も閑散で、当ホテルでは5~7月の団体予約のいくつかが、秋へと変更になっている次第です。インバウンドについてはおそらくこの先数ヶ月ほぼゼロになること間違いありません。そして対前年の宿泊者数が半数を切るような苦境は、半年近く続くことを覚悟しなければならなくなりました。

その後は内需中心に徐々に戻ってくるものと思いますが、一定水準に戻るのは早くても2年。そこまでは何とか耐え忍ばなくてはなりません。多少の赤字覚悟で、借入をせずにやっていけるものと思っていましたが、ほぼ長期戦となることが確実になったので、万が一のために運転資金を可能な限り借入れることを決意しました。

おそらく、この見通しが正しければ、インバウンドを宛にした新参業者や、体力の乏しい同業者は経営を継続することができなくなるでしょう。なので、ここを耐えて渦中が去ったとき、最悪の供給過剰は緩和され、その先10年は安泰ならずとも事業継続は可能と踏んでいます。負ける訳にはいきません。

2020single

そんな訳で、小手先ではありますが、当ホテルではキャンセルで空室が増加した4月23日まで限定で、チェックイン12時アウトも12時24時間滞在プランを設定致しました。ホテル正面は函館朝市、昨秋から当ホテルレストランが「ラッキーピエロ駅前店」となりました。函館ならではのお食事を堪能して、ゆっくりとご滞在頂ければ幸いです。当ホテルHPからご予約可能です。今後も閑散期間中心に様々なお値打ちプランを設定して参る所存ですので、拙ブログを読んで頂いている方は、お知り合いにご紹介頂ければ幸いです(写真は当ホテルシングルルームです)。

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2020年3月25日 (水)

業界疲弊

東京オリンピックの一年延期が決まり、とりあえず中止にならず一安心ということか、どちらかというと楽観ムードになっています。株式市場にも国策絡みのお金が入ったようで急反発。しかし、このままV字回復するほど”リーマン越え”と呼ばれるこのたびのコロナショックは甘くはありません。むしろ株式市場は教科書通りのリバウンド。読みが正しければ、もう一度安値を試しに行った後、3ヶ月程度の緩やかな反騰局面を迎えるのではないでしょうか。相場は病気の極致を折り込み、夏以降は実体経済の悪化を反映して再度下降局面に向かうものと思っています。

2020hako

と、いうのも我々観光業界は、かつて経験したことのないほど疲弊しています。本来なら春休み、例年なら観光客の姿が目立つはずの函館駅前も実に閑散としたものです(写真)。それもそのはず、日本国内のみならず世界中至る所で経済が止まっている状態です。この影響は今後、別の形となってマイナスの影響を与えることになるでしょう。

まずは少しでも国内客の流動が起きてくれればと思っているのですが、当ホテルの予約動向からは少なくともGW前まで、同様の状況が続きそうです。GWも中心となる日々以外は、空室も目立ち例年通りとはいかない可能性が高まっています。仮にこの状態が2~3ヶ月も続くようだと、我々の業界のみならず、バタバタと破たんするところが出てくること間違いありません。今は当社がそうならないためにあらゆる対策を練っているところです。営業戦略など考えられる状況ではありません。

個人的にも、来月参戦する予定だった青森桜マラソンが中止となってモチベーション低下。息子の野球部も春の関東遠征が中止となり、それどころか練習すら再開できない状況で、最後の夏に向けて一生に一度しかない中高の新3年生はさぞかしもどかしい思いをしていることでしょう。当ホテルにおいても、様々な競技で春合宿を予定していた複数の高校の宿泊がキャンセルとなり、今週だけでのべ200泊以上の予約が消滅しました。

苦境はまだまだ続くようです。同業の皆さん、ここは耐え忍びましょう。

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2020年3月20日 (金)

責任逃避

昨日発表された、新型コロナ感染防止に向けた政府専門会議の見解には正直失望させられました。この3週間での感染拡大が抑えられていることから、具体的な経済活動の再開を容認するコメントを期待していたところですが、結局、更なる感染拡大の可能性を懸念し、経済活動に関しては、”主催者側”に丸投げといった印象です。

2020corona6

そりゃそうでしょう。”専門家”にとっては、経済活動の自粛を緩和することによって、万一感染者が急増したら責任問題です。一方、経済に関しては専門外。どれほど悪化しようが責任は問われません。この組織に任せていては、何ヶ月たっても、それこそ全く感染者が出なくなるか、ワクチンが開発されて使用可能になるまで、一向に経済活動にGOサインなど出ないものと思います。今こそ政治の力が必要な時です。

ところで、日本における新型コロナ感染の拡大が比較的少ないのはどのような理由でしょうか。検査を意図的に抑えているということを除けば、ネット上所説ある中、ひとつなるほどと思ったものがありました。「日本は中国や欧米諸国と違って、超富裕層が少ない代わり、低所得者層はいても貧困層は圧倒的に少ない」から、というものです。日頃から最低限の衛生が保たれているので、諸外国とは異なり、特別な事情以外クラスターが発生しにくいのではないでしょうか。潜在的な感染者は発表されているものよりはるかに多いとは思いますが、感染による死者については発表とは大差ないはずです。

この一月ほどで、新型コロナウイルスの性質は分かってきたものと思われます。そろそろ、ある程度の感染拡大を容認し、重篤者増加防止に重点をおきながら経済活動再開へと舵を切れないものかと思うのは、素人考えでしょうか。まずは、最近複数出てきている既存の薬の有効性が証明されたり、ワクチンの開発が成功したなどのポジティブサプライズを期待したいところです。

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2020年3月17日 (火)

三割高下へ向かえ

私が証券会社に入社したのはバブル絶頂期の1988年。ブラックマンデーを乗り越えて、日経平均株価は史上最高値を更新するバラ色の時代でした。程なく、運用部門の子会社に出向し、ファンドマネージャーの見習いをしていた1989年大納会の日に、日経平均は38916円という空前の最高値を記録しました。その後は皆さんご存知の通り、失われた20年とも言われる長期下落相場が続いた訳ですが、当時は誰もそんなことになろうとは思ってもいませんでした。

年が明けて1990年になると、相場は前年とは一転して下げに転じました。新聞紙上では下値の目途は3万何千円だと”専門家”が語り、上司もここが絶好の買い場だと幾度となく叫びましたが、全くその通りにはならず、入社以来見たことが無い下げ相場が続きました。新人類と呼ばれていた私はそこで誰も信用できないと思い、自分で国内外の株式相場のみならず、あらゆる相場の歴史を図書館などに通って調べました。

すると、いくつか共通点があるということに気付きました。どのような相場も一本調子に上昇した後、上昇したはるかに短い期間で急落する場面を繰り返すこと。当時はまだバブルという言葉はありませんでしたが、バブル的上昇相場が終焉する初動の下げパターンは極めて類似した動きになること。そして、成熟したマーケットではその初動の下げが高値から30%程度となることが極めて多いことです。なぜ、このようになるかはおそらく群衆心理というのは、恐怖に対面した時、常に同じような行動をとらせるからだと自分なりに理解していました。

1990年4月、日経平均株価は3万円の大台を割り込んだあと、更に1日で2000円近い急落に見舞われました。静まり返ったトレーディングルームで、ファンドマネージャー見習いだった私は「ここが買い場だ!」と心の中で叫びました。その日の終値、28002円。史上最高値から28%の下落。相場はその翌日から4ヶ月ほどの反騰局面となりました。そして私はそれから約10年、超弱気のファンドマネージャーとして兜町に席を置いていました。

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なぜ今日、こんな話を書いたかというと、本日のNYダウは史上最大の2997ドル安。新型コロナの影響で景気後退が鮮明化する中、先行きが見えない状況です。しかし、今日のNYダウの終値20118ドルというのは、先月つけた史上最高値29568ドルから32%下落した値。また、日経平均株価の直近高値24115円から30%下げた値は16880円。その値を下回っている今日の株価は目をつぶってでも買えと言うつもりだったのですが、書いている間に相場は反騰しているようです。

三割高下へ向かえ。見事な格言だと思います。

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2020年3月14日 (土)

今年の桜は?

本日、東京では観測史上最も早くソメイヨシノの開花宣言がなされました。今年の暖冬は全国的な傾向で、ここ函館も雪が極端に少なく、既に無積雪状態となって10日以上経過しているため、根雪も終了したものと思います。と、言っても今年は一冬を通じて、街中はほとんど積雪状態はありませんでした。

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そんな状況ですから今年の函館の桜開花も、平年よりかなり早くなるとの予想が出ています。予想を出しているところによって若干の差はありますが、概ね4月20日前後(画像はウェザーニュースより)、満開はGW前半となりそうです。予想通りとなれば、GW前半に桜が見ごろとなるのは3年連続で、かつてGW後半の見ごろが定番だった函館の桜は、気候変動とともに4月中の見ごろが当たり前になったのかもしれません。

いずれにしても、函館で桜が咲くころにはコロナショックも落ち着き、通常通りの経済活動が行われていることを願うのみです。

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2020年3月12日 (木)

自粛過剰?

選抜高校野球大会が中止となってしまいました。無観客でも大会が開催されれば、娯楽に対する極端な自粛ムードを和らげるきっかけになると思っていたので残念でなりません。また、その昔は高校球児で、現在も高校球児の息子を持つ親の立場から、出場を決めていた選手とその関係者の無念は如何ほどかと思うと胸が痛みます。

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年初に記した懸念が、思わぬ形で現実になっています。我々観光業界は、先が見えない惨憺たる状態で、特にその依存度が高い当市は全国的にも注目を集めているようで、昨日も日本経済新聞の一面にその惨状が記されていました(写真)。唯一の救いは、リーマンショックを超えるような景況感の悪化による投機資金の急速な収縮が、函館市内の無尽蔵のホテル建設ラッシュに歯止めをかけてくれそうなことです。おそらくこの先、インバウンドの増加を当て込んで、近年、俄かに進出してきた民泊や、コンドミニアムなどの簡易宿所は経営が成り立たなくなり、早々に撤退してゆくことでしょう。

もっとも多少供給過多が改善されるからといって安心できるものではありません。この状態があとひと月も続けば、資金に余力のない中小事業者も経営の危機に見舞われかねません。かく言う当社も、万一に備えて、かつて借入れたことのない運転資金を調達すべきか検討しているところです。それほどこのコロナショックの影響を深刻に受け止めています。怖いのは病気そのものよりも、それに過剰に反応する人の心理です。

仮に病気の終息が見えても、インバウンドが戻り始めるのは半年後。昨年並みに戻るのには2年を要すると覚悟しています。逆に病気発症件確認数が緩やかのまま、自粛期間がさらに引き伸ばされるようなことがあれば、その影響はGWにまで及び、桜とビッグアーティストのライブで一息つけることが叶わなくなる可能性も出てきます。それどころか五輪消滅も本格的に議論されることになるでしょう。そうなればこの観光都市はそれこそ緊急事態です。今はそれくらいのことまで覚悟しなければならないと思っています。

世の中もこのコロナショックの影響が尋常ではないことを察し始めたようで、今日も株価が大幅に下落しています。さらなる値下がりが危機感となって、有効な対策が講じられることを願うところです。

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2020年3月 7日 (土)

価格崩壊

2週間程前まで1泊1万円を下らなかった首都圏中心部の大手ビジネスホテルの料金が、今や5000円前後が当たり前。ホテルによっては3分の1程度まで値下げするところも散見されるようになってきました。地方都市とは異なり、新型コロナの影響といっても一定の需要が見込まれる首都圏中心部。稼働率が3割程度の落ち込みでも、価格が半値となれば売り上げは約3分の1。インバウンドの消滅に加え、自粛要請で国内観光需要も急減、更に出張すら控える風潮が蔓延し、当月、利益を出せる宿泊施設は極わずかでしょう。

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当地、函館のような地方観光都市は更に顕著で、元々低い宿泊単価が更に低下。今やシングル3000円台が当たり前で、2000円台のビジホも現れました。当業界、規制も談合も無い中、市場原理で無秩序な価格競争が繰り返されます。もちろん、客不在の中、いくら下げても埋まることはありません。体力のあるところは無意味な値下げをするくらいなら、一時的な休業を模索するところですが、おそらくこの状態が長引くと、確実に廃業や経営破たんが続出することになるでしょう。

今週になって、国民全体が新型コロナウイルスの生活に与える影響が尋常ではないことに気付き始めたものと思います。そしておそらく来週、先々に対する不安がピークに達するのではないかと。日経平均株価は2万円を割って更に一段安、オリンピック開催の有無が現実的に取りざたされるようになり、あるいは大型倒産などがきっかけになるかもしれません。逆にそうならないと、一旦落ち着くようなことも無いと思っています。

これは個人的見解ですが、来週、新型コロナウイルスの恐怖が陰の極を迎え、その後は経済対策や病気に対するグッドニュース、過度な自粛を疑問視する声なども出始めて、少し落ち着きを取り戻すのではないかと見ています。最も事はこれで終わりではなく、夏以降は世界的な景気後退に対する懸念が再燃し、再度深刻度が増していくのではないかと思っていますが。

あくまでも楽観的な見通しで、そうなってくれればGWとオリンピックで当地当業界もとりあえず一息つけるのですが。逆に、じりじりと不安が募る展開が続くようであれば、宿泊部門の一時休業なども本気で考える必要性も出てくるかもしれません。そんなことにはならないよう祈るのみです。

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2020年3月 4日 (水)

停滞序章

暗い話題しか書けません。先週末、”緊急事態宣言”が発せられたのを境に、国内客からのキャンセルが急増、その後も新規の予約はほとんど入らず、日々一桁の客室の稼働のために営業を続けている状態です。もちろん、インバウンドはとっくに消え去っています。水道使用量も極端に減少し、このままでは水質が低下してしまうということで、客のいない部屋でスタッフが水の放出作業を行う始末。こんなこと、過去に経験したことがありません。

胆振東部地震や東日本大震災の直後も、一時的に客足は大きく落ち込みましたが、先々の予約動向から、これほどの閑散が更に長引くのは初めてのことです。目の前の函館朝市の買い物客もわずかで、一見店員たちの10分の1程度、すでに営業を取りやめている店舗も目立ちます(写真)。

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これが本当にあと2週間程度であれば普通の企業であれば耐えられるのでしょうが、問題はその先が見えないことです。学校の休校を春休みまでとしてしまったことで、仮に新型コロナウイルスの感染が終息したとしても、2週後に世の中が元に戻ることはないでしょう。最も普通に考えて、学校を休校にしたところで、満員電車が連日運航されている大都市圏で流行が治まるとは思えません。出口の見えない不安が、より一層経済の停滞を招くと考えるべきでしょう。

本日、選抜高校野球開催の可否が判断されるようですが、無観客でも開催の方向となれば、心理的に前向きになれるきっかけにはなるかもしれません。ただ、その場合でも同時期に予定されるプロ野球公式戦をはじめとした多くのプロスポーツも、当面無観客試合になるはずです。

このように、日本経済は近年経験したことの無い停滞が始まりました。私の予定も、この先1ヶ月はほとんどキャンセル。出張や会議会合が無くなり日々定時退社。天然働き方改革です。我々観光業界同様、歓送迎会シーズンで稼ぎ時のはずの飲食業界も悲鳴を上げていることでしょう。今、倒産がニュースになっているところは、以前から資金繰りに問題のあるところのようですが、それこそ2週後くらいには、普通にやっていれば問題のない事業者の破たんが目立つようになるのではと危惧しています。

せめてGW前には事態が落ち着き、オリンピック直前くらいから外国人観光客が回復してくれることを願う次第。今はひたすら耐え時です。

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