新型コロナウィルスの影響
新型コロナウィルスの感染拡大について、今後の動向は見解が分かれているように感じます。ひとつは、感染者数も死者も氷山の一角で、その感染力の強さから日本国内においても二次三次感染している患者がいることは疑い様はなく、感染拡大はむしろこれからだという見方。その一方で、武漢市内以外での死者が少ないことから、二次感染以降で病状が重篤化するケースは少なく、症状も風邪やインフルエンザ程度なので気にすることはないという楽観論も目立ってきました。
ただ、そのどちらの見方が優勢になろうとも、我々観光、宿泊業界への影響は深刻であることに変わりありません。例年であれば、インバウンドで賑わう札幌雪祭り期間。当ホテルでは多い日でも稼働率5割程度。昨年同時期、ほぼ満室が続いたことを考えると、インバウンドが急増する5年以上前の同時期にタイムスリップした感覚です。元々、供給過剰に頭を悩ませる中、外国人観光客中心にキャンセルが増加し、オフシーズンの数少ない稼ぎ時も静かに過ぎ去りました。
しかし、これは序章に過ぎないと考えています。今から17年前、SARSが流行した際には国内感染者数は皆無だったにもかかわらず、外国人観光客は全くといって良いほど消滅し、その終息には半年近くを要しました。これは東日本大震災の時もそうでしたが、何か問題が起こった時、当業界において外需は内需以上に落ち込み、その回復にも時間を要することは経験的に承知しています。
まだ、春節や雪祭り期間は、特に個人旅行レベルでは既に出発していたり、武漢近郊以外では旅行の予定をキャンセルするほど事態が深刻化していなかったためか、想定したよりはキャンセルに被害は多くはありませんでした。問題はここから先です。例年、6割以上をインバウンドに依存する2月中旬から下旬、当ホテルの外国人観光客の予約はごくわずか。3月に至ってはほぼ0に近く、予約のキャンセル以上に新規の予約が入ってこないことが懸念材料となっています。
最も、3月までは飛行機の大幅な減便が決まっているからまだ想定内。GWは国内客で埋まるとして、その前後まで尾を引く可能性も否定できません。おそらく、中国のみならず、すべての国において海外旅行を控える風潮が出てくるのではないでしょうか。インバウンドに限らず、海外旅行というものはそういうものだと思います。更に、我々の業界の外に目を向けると、このたびの感染拡大による中国全土の停滞が、世界的な景気後退にへのトリガーとなる可能性も否定できません。仮にそのようになった場合、その影響は月単位ではなくなります。
ピンチはチャンスに変わることもあります。当ホテルでは、昨年まで中々できなかった、一部客室を一定期間閉鎖して、大規模な配管工事を実施することにしました。また、インバウンドの減少による全市的なホテル客室稼働率の低下が、無秩序なホテル建設に歯止めをかけてくれるのではと・・・今はそれくらいしか期待することはありません。
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