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2020年1月 6日 (月)

淘汰元年令和2年?

新年最初に記す予定だったタイトルですが、年初から暗い話題も何なので一つ遅らせました。

2020hatumoude

空前の低金利によって行き場を失ったお金は、企業業績の先行きに暗雲漂う株式市場以上に、リート(不動産投資信託)相場を押し上げました。リートに集まった資金は、人口減少で需要が見込めない住宅(マンション)投資には流れず、インバウンドによる需要増加が見込めるホテル建設のための資金調達を容易にしました。初めは東京、大阪、京都などの大都市圏へ。立地条件の良い場所が無くなると、地方の観光都市へ。投資先が限られるので、従来では考えられなかった低い利回り物件にも向けられています。これが函館のホテル建設バブルの正体です。

何度も記していますが、これは初めてのことではありません。今から12年ほど前、同様な環境下で函館市内には全国区のビジネスホテルや新参の都市型リゾートホテルが進出していました。すべが完成する前にリート相場がピークアウトし、株式市場も低迷する中リーマンショックが勃発。世界的な恐慌にまで発展し、当然のごとく函館観光も低迷、東日本大震災がとどめを刺し、市内多くの宿泊業者が転業、廃業、倒産といった形で退出を余儀なくされました。

足元、まだ函館の観光業界は一見好調を維持しているように見えます。しかし、既に供給過剰気味となっている宿泊業界は、個々の施設レベルにおいて対前年比大幅な落ち込みを見せています。良い時はゆっくりジリジリと上昇していきますが、悪くなるときは急降下を見せるのは株式市場と一緒です。この1月、復興割というドーピングが注入され、閑散期としては記録的な入込の昨年だったとはいえ、おそらく各施設前年比半減、当ホテルも北海道新幹線開業前の閑散期を久々に思い出しているところです。

さて、昨秋、東証リート指数なるものがどうやらピークアウトしていることを気付いている方はどれほどでしょうか。そして大発会当日の今日、東証株価指数も不穏な動きをしています。アメリカ大統領選挙の年は下がらない、オリンピックまでは大丈夫などという論説を目にしますが、このような都市伝説が崩壊するのを何度も目にしてきました。私の目には今、リーマンショック前の2007年から2008年、函館の観光業界が超低迷期に向かい始めるころと余りにも似ているように見えて仕方がありません。

不幸にもこの見方が正しければ、今年は下げの始まり。更なる供給過剰が進む中、一時的にせよ(といっても数年のサイクルにおいて)観光業界も下降局面に向かっていくことも十分に考えられます。マラソンが札幌開催となり期待する声もありますが、結局東京一極集中をわずかに緩和するに過ぎません。多くの国民が首都圏に向かい、首都圏に住む人たちも、その喧噪を逃れるよりは、一生に一度であろうイベントをその目でみたいと思うのが普通でしょう。今年の夏は、繁忙期とならないかもしれません。

そしてこれは序章に過ぎません。あくまで見方が間違っていなければの話ですが、もっとも厳しいのは来年から再来年にかけて。何がきっかけになるかはわかりません。ただ、本当の厳しさの中、淘汰が進み、需給が改善されない限り我々の業界に明日はありません。なので淘汰の波に巻き込まれないよう、この1年、最低限守りの投資を行い、その後は当面財布の紐を固める考えです。何度も経験してきた不況期の乗り越え方。

杞憂であってほしいものです。

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