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2019年12月19日 (木)

これから起こること

この1~2年、同業以外の市民から幾度となく同じことを聞かれました。「こんなにホテルが出来て大丈夫か」と。業界を代表してお答えします。大丈夫ではありません。

北海道新幹線の開業とインバウンドの急増が重なって、我々函館の宿泊業界は昨年までの3年間、想定以上の良い思いをさせていただきました。その3年前は、函館はホテルが足りない、ホテルを建てたら儲かる等々よく言われたものです。今、建てているホテルはそれを実践したに過ぎません。皆が皆、同じ方向を向いた時にバブルは発生します。

今年の函館観光、明らかに頭打ちになっていますが、それでも昨年までの余韻を引きずっています。この12月、昨年は胆振東部地震対策として実施された”復興割”特需で記録的な入込だったことから、大きく落ちるものと想定しておりました。ところが意外にも全体的には健闘しており、市内観光施設では今のところ前年並みを維持しているところもあるようです。しかし、市内宿泊施設は想定通り厳しいマイナス局面となっています。いや、観光客の入込が落ちていたらもっと厳しいことになっていたはずです。

昨年同期と比較して、駅周辺には大型の施設が4棟ほど増えています。客室数で1150、定員ベースでザックリ2500人程でしょうか。概ね函館市全体の約1割に相当します。単純に入込が前年並みとしても、既存施設の入込は1÷1.1で10%ダウン。ただこれは函館駅周辺に出来た施設で、同じ環境下にある既存施設への影響はこの程度ではありません。事実、当ホテルも昨年対比では3割近い落ち込みです。最も昨年12月はこの月としては開業史上最高の売上でもあったので、想定をやや上回る程度の落ち込みではあります。

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問題は、施設の増加はまだ序章に過ぎないということです。当ホテルから見える範囲でも2棟の大型ホテルが建築中(写真)で、市内全体でみれば更に3棟、そして複数の建設予定が確認されています。身の丈に合わないというのはまさにこのこと。新設ホテルは自分は大丈夫だろうと思っているのでしょうが、さてどうでしょうか。

正に異常とも言えるバブル状態ですが、これは初めてのことではありません。今から十二、三年前、当地では全く同じようなことが起こっていました。実感の無い景気回復と呼ばれたその末期、低金利で行き場の無くなった投資ファンドの金が、将来の新幹線開業を当て込んでこの地に流れてきたことを覚えている人はどの程度でしょう。そして起こったリーマンショック。幸か不幸かそのお蔭で、複数のホテル建設計画がとん挫し、辛うじて生き残ったところだけが新幹線開業の恩恵を受けました。

しかし、それでも至った供給過剰に、多くの同業が倒産、転業、廃業で淘汰されていきました。当時は地元資本の宿泊施設が倍はあったでしょうか。今は数える程度に減ってしまいました。そしてこれから同じようなことが起こるのです。現在もまた記録的な低金利。以前では考えられないほどの低利回りでも投資しようという動きが函館のホテルバブルを生んでいます。歴史は繰り返す。これから起こるであろうことは、約10年前「供給過剰」というタイトルで記事にしています。

私は12年のサイクルを信用しています。良い時も悪い時も続いて3年。様々な占いにも使われているようですが、自分の人生に当てはめてもその通り。1年12ヶ月も必ず四季があるように、冬が来れば春もやってきます。これから3年は冬の時代。何もなくても厳しい中、天災やリーマン級も覚悟すべきと思う次第です。追い風が吹いているときは、誰もがうまく行くところです。逆風の時こそ経営者の真価が試されるというもの。この生業を今後さらに続けるべく、知恵を絞る時がやってきました。

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