IR誘致見送り
しばらくブログを更新していなかったこともあって、本日から開催される「はこだてクリスマスファンタジー」をネタに綴ろうかと思っていましたが、昨日、北海道がIR誘致を見送ったことに対し、私も地元紙に取材を受けて意見を述べたことが記事にもなったので、誤解の無いよう掘り下げることにしました。
北海道新聞函館版に記載された私のコメントは短くまとめられたこともあって、若干ニュアンスは異なりますが、記者が意図していたものを”裏切る”意見を述べたのは事実です。おそらく記者は、道がIR誘致を断念したことで、その観光波及効果が期待できた函館の観光業界関係者は残念に思うコメントを取りたかったのだと思います。
聞かれてまず返答したのは、初めから期待していなかったということ。と、言うのも今回の判断は誘致決定か否かではなく、あくまで立候補であり、普通に考えると首都圏や関西圏の候補地と比較して政治的にも不利は否めないところで、事実、我々業界でこの話題で盛り上がったことなどありません。
また、いつのころからかカジノからIRに名前を変えた施設がどのようなものか知る人であれば、波及効果なるものはそう単純ではないと思うはずです。カジノを核にしたIRは海外の巨大資本が中枢を担うことが必至であり、IR内には最大級のコンベンション施設はもちろん、複数の大規模宿泊施設、ショッピングモールなども入り、波及どころか囲い込みを図ることが予想されます。これには地元苫小牧の一部経済界も懸念を示していました。自然破壊、ギャンブル依存以上に懸念される問題です。札幌圏はある程度恩恵受けるかもしれませんが、仮にIR誘致となれば、経済のみならず観光においても更には雇用においても、北海道は道央一極集中を加速させることになりかねません。
そのような意味においても、国内最初の巨大IRが他地域に建設されたときの周辺への影響を見極めた上で、今後誘致すべきかどうか判断するとした知事の判断は真っ当だと思う次第です。IRは何も無い場所を活性化させる手段の一つであり、観光資源が豊富な地域の誘客手段には向かないというのが、異論もあるかもしれませんが私の考えです。
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