いつまで走れる?~いびがわマラソンより~
岐阜県大垣市から私鉄養老鉄道で北へ約30分。人口わずか5000人余りの小さな町で、人口の2倍に相当するフル・ハーフ・ウォーキング合わせて1万人を超えるマラソン大会が開催されています。その経済効果が如何ほどかは町を上げてのの歓迎ぶりで理解できました。雲ひとつない晴天の下、30回を超える歴史あるこの大会に出場してきました。
この大会は低予算で行われる大規模マラソン大会として、函館マラソン創設にあたって参考にしたマラソン大会のひとつでした。実際、来てみなければわからないものもあるもので、この地域にはイビデン、西濃運輸といった一部上場の大企業があり、これらがスポンサーとなって人的、金銭的なサポート約となって実現している側面もあることを知りました。それにしても5000人の町で1万人を超える大会とはすごいことです。ちなみに、イビデンの”イビ”が揖斐川の"いび”であることを初めて知った次第。
さてこのコース高低差約130mある難コース。行きが登りで帰りが下り。パンフレットに載っている高低図では7~8km、14~15km、そして19~20kmにややきつい登りがあり、最高点が20km。これをインプットして走りましたが、結果的に全くあてになりませんでした。この高低図は単純にkmごとの標高を結んだもので、実際は登りの中にもかなりのアップダウンがある更なる難コースです。
想定ラップは5:00~5:10/km。ここ数回のフルマラソンの反省から敢えて少しゆっくり入る予定。フルのエントリーは7000名。その割にスタート地点の道幅は狭く、上から3番目のランクのスタート順ながら先頭からはかなり後方で、号砲からスタート地点通過までのロスタイムは約1分。更に一定ペースまで上げるにも時間がかかり、最初の1kmは6分30秒近く掛りました。ただ、その後は混雑が幸いしてか必要以上にペースが上がらず次の1kmが5分少々、理想のペースを体に染み込ませ、平坦な序盤は予定通りのペースを刻みました。
パンフレットとは異なり5km過ぎからは明らかな登りとなり、ラップは10秒ほど落ちましたがこれも想定内。その後の小刻みなアップダウンも概ね5:00/km前後と予定通り。むしろ基本登りと考えれば、平坦であれば4分台を刻んでいたものと思います。様子が変わったのが10km過ぎ。僅かに下った後にきつい登り坂が500m以上続き、さすがにこの1km5:45ほど。しかし、その直後に想定外の長い下りがあって、ここは4:40/km。せっかく登ったんだから下るなよ、と思いながらもここは足に負担をかけないようにしてタイムを稼がせてもらいました。
パンフレットの最高点は20km地点。これだけ下れば更なる登りがあるはずです。僅かな下りと長い登りを繰り返し、最頂点を目指しました。パンフレットでは一番厳しい登りは19kmから20kmでしたが、19m過ぎのエイドまでにややきつい登りこそあったものの、そこを通過すると「登りはここまでだよ」という声。どうやら最頂点は19.5kmのようでした。
ここから先はほぼ一本調子の下りのはずです。足には多少余裕がありましたが、ここは無理にペースを上げず下りも5:00~5:10/km。ハーフを1時間48分台で通過は想定内ではあったものの、後半落ちることを考えれば結局3時間40分以内は難しいことを悟りました。おそらく、折り返して同じコースを戻ったなら、下り基調の中にも何度も登りがあり、大きく失速していたに違いありません。しかし、後半登りが長かったのは1ヶ所だけ。ここだけ6:00/km台となりましたが、概ね5:10/km以内でカバー。さすがに35km過ぎに平坦となって少し落ちたものの、大きくペースダウンすることなく、逆にラスト2kmは上げることができました。フルで初めての経験。
結局、3時間44分台と目標には届きませんでしたが、昨年走った「函館マラソン」と「あいの土山マラソン」のタイムをわずかながら上回り、タフなコースにしてはまずまずと満足しています。3週間前に60kmのウルトラを走っていたことや、後半が下りのコース携帯であったことが足が最後まで持った要因であろうと思いますが、敢えてゆっくり入ったことも一因と思い、この年齢で新たな境地を開拓した気分にもなりました。
今年はこれで終了。来年は新設される青森のフルで再度ゆっくり入る作戦を試し、うまくいけば函館マラソンで進化させたいとマラソン後の至極の一杯を飲みながら妄想しました。しかし、フルを走り切るには月間200km以上のトレーニングが最低限。練習もだんだんつらくなってきました。いつかは100kmをという夢もありますが、60kmの厳しさを知った今、果たして気力は残っているのか。
おそらく、タイムと距離を求めて走るのは来年が最後になるものと思います。
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