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2018年6月 2日 (土)

変わる環境

20180apa当ホテルが新築された昭和40年代半ば、函館駅周辺は数多くの小規模旅館が建ち並んでいました。当時、函館旅館組合に所属していた施設は百数十軒に及んでいたと聞いています。そんな中、当ホテルは函館で初めてのビジネスホテルという存在でした。この直後から、函館市内には複数のビジネスホテルや宴会場を備えたシティホテルが建設されましたが、その多くが地元の一定規模の企業によるものか、旅館からの転業(建て替え)でした。

最初に函館でホテル建設ラッシュと言われたのはバブル期、西暦では1990年前後のことだと思います。この時期、青函トンネルが開通し、当地は時の好景気も重なり、観光客が一気に増加しました。函館駅前は、ハーバービューホテル(現フォーポイントバイシェラトン)始め、管外資本の大型ホテルが進出すると同時に地元資本のビジネスホテルも数多く建設されました。一方で、駅周辺の小規模旅館は減少の一途を辿ります。

私が函館に戻り数年が経過した今世紀初頭、今度は東横イン、ルートインといった全国展開している大手ビジネスホテルチェーンの進出が始まりました。この頃、当地の観光客入込は頭打ちとなり、減少傾向が鮮明となる中での乱立で、既存施設は大きな影響を受けました。特に2008年に発生したリーマンショックは大幅な観光客の減少を招き、地元資本ホテルの破たんや転廃業が相次ぎました。

東日本大震災などもあり、函館市内のホテル客室数も減少に転じる中、目立っていたのが、経営母体の移譲です。所有、経営、運営がそれぞれ異なることが当たりまえとなり、資金の出どころも銀行からファンドへと変遷し、建物は同じでも名前が変わるホテルが多くなりました。

そして現在。外国人観光客が急増し、新幹線開業によって観光客入込数が過去最高を記録した地方都市に、過去最大のホテル建設ラッシュが始まっています。気が付けば地元資本のホテルはほんの一握り。函館市内で、昭和40年代、1970年頃から名前も経営母体も変わっていないホテルは、当ホテルと湯の川地区の数軒のみではないでしょうか。

今、函館市内では6棟のホテルが建設中の他、分かっているだけで更に数軒、建設予定となっています。買収や運営母体の変更も相次いでおり、2~3年後には我々を取り巻く環境は一変していることでしょう。もちろん、当ホテルは生き延びていく所存です。

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