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2018年1月 6日 (土)

薄底時代の終焉?~ランニングシューズ~

人気ドラマ「陸王」を見て、普段走らなくてもランニングシューズに興味を持った方も多いと思います。先般、この「陸王」は、実話がモデルとなっていたことを他局のドキュメンタリー番組で知りました。

ドラマでは足袋の老舗「こはぜ屋」が作る足袋型シューズと、大手アトランティス社(モデルはミズノ)のR2というシューズの戦いを描いているのですが、”リアル陸王”の足袋型シューズとの対比で用いられたのは、ナイキ社のズームフライというランニングシューズ。私はドキュメンタリー番組を見て、この特殊なシューズに大変興味を惹かれました。

2018naiki近年、ランニングシューズはより軽くがトレンド。当然、靴底は薄くなり、その中で如何に耐久性を高めるか、足への負担を軽減させるかを各社競い合ってきました。しかし、ナイキのズームフライは、ランニングシューズとは思えないような厚底シューズ。にもかかわらず、軽量も実現しているのですが、これは足への負担を軽減するだけでなく、足裏の前方で着地する”フォアフット走法”で走るランナーのために開発されたシューズです。昨年、このシューズを使用した試走で、マラソンの世界記録が達成されたことで俄然注目が集まりました。

マラソン記録の世界トップクラスを独占するアフリカ人選手の多くはこのフォアフット走法で走っているのですが、これは体形的に骨盤が前傾しているためで、体形が異なる日本人にはこの走法は向かないとされてきました。ドラマ陸王でも、足の中央部で着地する”ミッドフット走法”が理想とされ、事実、昨今の長距離界の主流となっています。ところが、先般このナイキのシューズを履いた大迫選手が、日本人のマラソンランナーとしては久々に世界のトップと互角に渡り合い、フォアフット走法をマスターしていたことで、日本の陸上長距離界の常識が揺らぎ始めました。

先般の箱根駅伝においても、このたび然程前評判の高くなかった東洋大学の、1,2年生がこのナイキズームフライを使用して往路を制したことで、コアな市民ランナーの注目度も一段と上昇しました。ズームフライの競技用市販モデルである「ナイキズームウェーバーフライ4%」というのは、既に品薄状態となっており、ネットで購入可能が再開されたのが箱根駅伝翌日のこと。ただ、約2万6千円とランニングシューズとしては高額なだけに、購入を迷っていた私ですが、迷う以前に即完売。もしかしたら、店舗販売しているのではないかと、スポーツ店に立ち寄ってみましたが、当然のごとくありませんでした。

代わりに目についたのが、各社旧モデルの長距離ランニング用高額シューズが軒並み50%OFFで売られていたことです。ここまで、極端な安売りは目にしたことはありません。知らなければ即衝動買いしていたところですが、心は既にズームフライ。何でも”4%”というのは、このシューズで走ると4%タイムが短縮するためとか。私のフルマラソンタイムでは約10分に相当します。日本の「こはぜ屋」ではなく、アトランティス社ならぬ米国ナイキ社に魂を売ろうとしている50代の一般市民ランナー。私だけではないはずです。

ランニングシューズに革命が起ころうとしています。

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