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2017年11月27日 (月)

インバウンドの恩恵(2) ~季節変動の解消~

当地を訪れる外国人観光客は3~4年程前から急激に伸び始めました。当初、有難い話ながら、浮き沈みの激しいインバウンド需要の増加は、沈んだ時の落ち込みを考えると手放しに喜べるものでもありませんでした。しかし、国策ともいえる外国人観光客の受け入れは、今や当地に限らず、既に無くてはならないものになっています。もちろん、過去に何度も経験したように、自然災害や国際紛争、パンデミックなど大きな悪材料が発生した場合における変動の大きさは覚悟しなければなりません。それでも、インバウンドの増加は日本の人口減少を補う大きなトレンドと見るべきでしょう。私は流れを少々過小評価していました。

さて、下のグラフは今から12年前、当ホテルの月別宿泊客数を表したものです。グラフのオレンジの部分は外国人の宿泊者数です。この頃、当ホテルの外国人比率は通年で10%程度。それでも業界平均は上回っていたと思います。敢えて極端だった年のものを示しましたが、当ホテルに限らず夏と冬の観光客入込の差が激しいのが函館観光業界の難点です。ピークである8月の宿泊者数に対し、最閑月の1月は人員ベースでその5分の1程度。室稼働で言えば100%近い8月に対して1月は30%台(シングル比率が高くなるため稼働率は人員ほど下がらない)となるのが常態化していました。函館の観光業界は5月から10月まで稼いだものを11月から翌4月にかけて吐き出すのが普通で、そのどちらが大きいかで黒字か赤字が決まるようなものでした。

2005inb
一方、次のグラフは昨年度の当ホテルの月別入込客数です。新幹線開業年度の”特殊な値”、また、客室構成や定員も変わっているので少し割り引いて見る必要はありますが、シーズナリティの改善は明らかです。そして、その要因も一目瞭然、外国人観光客の増加です。昨年は通年で外国人比率が30%を超え、一昨年からは1,2月のその比率は日本人を上回るようになっています。

2016inb
函館を訪れる外国人観光客の多くは東南アジア圏。雪の降らない地域が多いので、北国の冬、雪が非日常となります。函館がもっとも閑散となる時季が、外国人観光客が一番行ってみたい季節になるのです。特に旧正月が1月に始まった昨年度は、私がこの業界に入って初めて1月が最閑月ではなくなりました。ちなみに昨年度、室稼働ベースでは5~10月はほぼ100%に近く、70%を下回る月はありませんでした。

もし、外国人観光客の増加が無ければ、北海道新幹線開業による観光客の増加はここまで多くは無かったでしょう。そして、2年目に至るまでの持続力は無く、極めて一過性だったかもしれません。

さて、チャンスとピンチが常に同居するのがビジネスの世界。良いことが長く続くほど世の中甘くありません。何度も記していますが、これから函館には大型ホテルが何棟も建ち、我々の業界は再度過当競争の世界に晒されようとしています。当然のことながら、上に示したようなデータは業界関係者にとってはインプット済みのこと。よく「どうして新幹線開業直前にあまりホテルが建たなかったのに、開業効果が無くなるころに沢山進出して来るの」と聞かれますが、大手が進出して来るのは新幹線が開業したからではなく、外国人観光客の増加によって季節変動が小さくなったことで、函館でも通年利益が出せる見通しが立ったからに他なりません。

これからまた、厳しい戦いが始まります。

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