新幹線開業1年
北海道新幹線が開業して丸一年が経過し、一昨日は様々なメディアでその効果が論評されていました。その評価は概ね、1.道南・函館を中心にそれなりの開業効果はあったが全道への波及効果は小さい、2.在来線時に比べ輸送人員は1.6倍となりJR北海道の当初想定を上回ったが、乗車率は然程高くはなく、北陸新幹線と比較すると物足りない、3.夏場の繁忙期に比べ観光オフシーズンの冬期の落ち込みが大きく早くも息切れの兆候が見られる、と、いったところでしょうか。
ここからは私の感想です。新幹線開業効果は予想を大きく上回りました。様々な席で開業効果を問われた時、私は隠すことなくこのように答えています。
「昨年、金沢の同業経営者に北陸新幹線の開業効果を聞いたところ、毎日盆暮れが続いている感じだと言われました。函館の場合、現駅に新幹線が乗り入れるわけではないので、そこまではいかないだろうと思っていましたが、特にゴールデンウィーク(GW)以降、GWが終わらずにずっと続いている感じで、10月まで稼働率は100%に近い状況が続きました。11月以降、オフシーズンになると確かに落ち着きましたが、比較的好調だった昨年と比較すると大幅な伸びは継続し、特に増加率で見るなら分母の小さい1月が1番です。開業1周する3月は、昨年、開業前も開業準備の利用や最後の在来線に乗る観光客で好調だったこともあり、マイナス予算を組んでいましたが、どうやら当月も前年を上回ってきそうです。」
確かにこのオフシーズン、湯の川地区の大型館などでは前年比で落ちているところもあると聞いていますが、これは新幹線開業効果が薄れたというより、中国の複数の都市との定期便が運休したことで、これに乗ってきていた団体客が無くなったことが大きいと思います。外国人観光客が減ったとも言われていますが、羽田や成田経由で新幹線を利用して、また台湾との間で結ばれたLCCでやってくるいわゆる外国人個人観光客はむしろ大幅に伸びていると思われ、特に函館駅周辺の比較的低価格帯の宿泊施設はその恩恵を被っているものと思われます。もちろんこれも新幹線開業効果と言えるでしょう。
今のところ、この先数か月の予約状況も悪くはなく、昨年がピークとしても、函館の観光業界”良い”と言える状況は今年も続くのではないかと見ています。流れが変わるとしたら2年後。何度も書いていますが宿泊客室の供給数が一気に増加します。現実的に開業効果が薄まった時に供給数が増え、オリンピック以上に景況感が悪化して、外国人観光客が減少する何らかの悪材料が発生したら・・・、今のうちから準備しておく必要があるかもしれません。
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