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2016年12月10日 (土)

函館市観光客入込数過去最高を更新へ

久々に業界の動向について記そうと思います。先日、今年度上期の函館市内観光客入込数が公表され、前年比約14%増の321万人となりました。このままいくと、通年では1998年に記録した539万人を超え、過去最高を記録することがほぼ確実となります(下グラフ・クリックすると拡大します)。

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外国人観光客の増勢が続く中、北海道新幹線開業である程度想定されていたこととはいえ、個々の施設レベルではほぼバブル状態、予想をはるかに超えたと感じているところも少なくありません。統計の中で、外国人観光客数が減少したことを気にする向きもありますが、これは国際線の中国路線運休で団体客が減少したことも一因ですが、新幹線開業による国内客の増加で、繁忙期の宿泊予約が取りにくくなるという、ある意味、施設側にとってマイナスではないことに起因しているものと思われます。

事実、インバウンドの100%が個人旅行客である当ホテルの外国人観光客は今年度上期も大幅に伸びています。小規模施設である当ホテルでは、今年度に限らず繁忙期は国内観光客優先で受け入れており、7,8月のトップシーズンの外国人比率が例年ごく少数であることも大きな要因です。

さて、我々にとって大切なのはこの先どのようになっていくか。以前、にも書いていますが今年はバブルのようなもの。特に、個々の施設にとっては今年がピークであると肝に銘じておかなくてはならないと思っています。参考になるデータがあります。北海道新幹線が開業する1年前に開業した北陸新幹線沿線の観光地の入込がどうなっているのか。速報性がある日本銀行の金沢支店や富山出張所のデータを見ると、開業年、当然のごとく大幅に入込数を伸ばした各地の温泉宿泊客数は今年度になって5~10%程度の減少を記録しています。とはいえ、開業前と比較すると高水準を維持し、おそらく想定の範囲内の動きであると思われます。

以前、東北新幹線が開業した後の八戸の動向を調べたことがあります。列車の輸送人員は開業2年目以降も落ち込むことなく高い水準を保ちました。観光客入込数も開業年度がピークではなく3年後(※八食センターという特殊事情あり)。ただ、宿泊者数は開業2年後にピークを打ち、5年目には開業前をも下回っています(下グラフ)。さらに、施設レベルで見るとやはり開業年度がピークだったところも少なくありません。

2002hatinoheこれは、交流人口の増加が競争を生み、宿泊供給能力が増加したこと。そして決して観光都市とはいえない八戸が、仙台圏からも首都圏からも日帰り可能となったことで、宿泊率が大幅に低下したことに起因しています。八戸では新幹線開業後、多くの全国チェーンビジネスホテルが進出した一方、中心部の既存宿泊施設が数多く淘汰されていきました。

さて、函館です。おそらく国内有数の観光地函館の観光客数は、突発的な悪材料が無いことを前提に、来年度、再来年度くらいまでは多少減少したとしても高い水準を維持していけるものと思います。また、八戸とは異なり、首都圏からは依然遠く宿泊率の落ち込みは少ないと考えます。問題は供給側。今年度、不足ぎみと言われた宿泊キャパは、来年度から確実に増加していきます。一気に増加するのは3年後。前も書きましたが、ここは相当覚悟が必要です。

もうひとつ気になるのはインバウンド。国策もあり、長い目で増勢基調が続くのだとは思います。ただ、1年間、東北6県に宿泊する外国人と同じ数が宿泊すると言われる函館市。ここまで、インバウンド依存度が高くなると、何かが起きたとき、自然災害や国際紛争、パンデミック・・・これは何度も経験していますが、過去に経験してきた以上に大打撃を受けることになると思っています。多少落ちてもある程度は維持と思いたいのが本音ですが、株の世界でいう、ボラティリティが高まることを念頭に入れておく必要があります。

ここに住んでいると全国の観光地が好調なのかと勘違いしてしまいそうですが、道内では台風被害で厳しいところの方が多く、函館のみが突出。全国的にも、観光客入込数が過去最高を更新するのは極めて稀なケースです。宴の後、地域力、経営力が試されるのはこれからです。

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