新幹線開業年の動向
早いもので今年も師走。この一年を振り返ると、当地函館の観光業界、懸念していた北陸新幹線開業や北海道新幹線開業前の「行き控え」現象といったマイナス材料が際立つことなく、むしろ外国人観光客の続伸で想定を上回る良い状況が持続しました。このような環境の中、新幹線開業まで3ヶ月余りとなり、否が応でも来年に対する期待が高まるところです。
一方、開業3ヶ月前にもかかわらず、当地函館では昨年の北陸新幹線開業前の金沢のような盛り上がりが、今一つ感じられないのが正直なところ。新幹線が現駅に乗り入れないことも一因ですが、新幹線乗入自治体はもちろん、石川・富山両県や北陸地方の大企業が全面的にバックアップ、莫大な予算をもって開業キャンペーンを行った北陸新幹線とは異なり、県とは違う広大な北海道の南端、しかも道都ではない函館開業に予算も協力体制も及ばないのはやむを得ないところ。明治後期以来、函館が味わっている悲哀でもあります。
それでも首都圏をはじめ北海道新幹線開業のCMが流れはじめ、年が明けると様々なTV番組や雑誌で新幹線開業、そして函館が取り上げられることは間違いなく、今年の金沢同様、黙っていても全国に当地がPRされることになります。そして3月、天変地異さえ起こらなければ、今年を上回る多くの観光客が当地を訪れるはずです。
しかし、今年の北陸のように「連日盆暮れが続いている」というほどの活況にはならない気がしています。まずは1日東京とは10往復という絶対的な本数。また北陸と異なり首都圏とは日帰りは難しい4時間超の移動時間の問題です。さらに、前年を上回った今年の函館の宿泊キャパは、繁忙期や週末はすでに上限に近い状態。平日やミドル・オフシーズンが伸びても、対前年10%余りの増加が良いところではないでしょうか。
ただ、決して悲観していません。むしろこれくらいが理想だとも考えています。いきなり空前絶後のピークを迎え、後にジリ貧を辿る多くの新幹線開業地となるよりも、多すぎることで観光客の不評を買わない方が函館のためと思います。来年が当面のピークとなることは覚悟の上ですが、以後も新幹線の高速化、本数増加等利便性の向上、はやぶさの宇都宮駅停車など、”後出し”で好材料を付け加え、高いレベルで新幹線を利用した観光客の入込を維持することの方が重要です。
まずは、新幹線開業年、函館の観光業界は万全の受入体制をもって皆様をお待ちする所存です。
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