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2015年6月23日 (火)

本当にホテル不足?

最近、宿泊業以外の観光関係者に「このままでは、新幹線が来たらホテルが足りなくなる。」と言われることが多くなりました。大都市では現実に不足感が出ており、ニュースなどで報道されているせいもあるのでしょう。さて、本当にそうでしょうか。確かに増加する外国人観光客の影響で、ここ函館の観光業界はひところに比べ潤っています。北陸新幹線開業の影響を懸念していた当ホテルでも、個人のインバウンドが下支えとなり、予想外に昨年以上の入込を続けています。

この勢いで新幹線がやってきたら、確かに初年度は市内のホテルがすべて埋まる日が増加するかもしれません。ただし、観光都市函館にとって、GWや夏休み、連休においては厳しかった数年前においても当たり前の現象です。むしろ、そのような日はロープウェイなどの観光施設は長蛇の列、朝市の食堂も並ばないと食べることができないなど、苦情を受けることも少なくありません。このような時期に合わせてホテル客室数が増加しても、街の受入れ体制自体が整わないのは明らかです。取り敢えず来る数だけ受入れようという考えでは、逆に観光地としての価値は失われてしまいます。

別な観点から見てみます。当地、宿泊産業が一息つけているのはこの1,2年。その陰には、多くの破たんや転廃業による供給過剰の解消があります。今から約10年前、新幹線開業を見込んで多くの道外資本ホテルの乱立がありました。既に、観光客が減少の一途をたどる中、リーマンショックによってとどめを刺され、価格破壊も相まって業界全体が苦境に陥ったのはほんの数年前のことです。当ホテルでも、危機感から数度にわたる大規模リニューアルで、ビジネスから家族旅行へターゲット転換。客室数を減らし、逆に定員を増加させた中、観光需要が回復し、何とか生き残っていると思っています。

Hakokankou
観光客の入込は回復しているものの、まだピークより10%程少ない水準です。そして言うまでもなく、回復の原動力は外国人観光客。特に伸びているのは中国本土からの観光客で、当ホテルでも昨年度下半期、初めて外国人宿泊客のシェアのトップになりました。懸念されるのはこれが続くかどうかということです。ご存じの方もいるかと思いますが、昨年来、金融緩和から上海の株式市場は急騰しており、ミニバブルの様相を示しています。中国人の”爆買い”とよく言われますが、これが当たり前だと思ってはいけません。かつての日本がそうであったように、後で思い返さば「あれは異常だったね」ということになるのだろうと思っています。

中国も日本に遅れること15年余り、生産年齢人口が減少に転じました。日本を教科書とするなら、これから絶対需要が減り始め、気が付けば長期にわたるデフレの入り口に突入する可能性は否定できません。外国人観光客はまだ増えていくでしょう。しかし、伸び率という意味では、今がピークなのだと思います。そして、為替市場で一方的に円安に進むことがないよう(あっても大変だが)、流れに変調が出た時、インバウンドが頭打ち、あるいは減少に転ずることも必ずあるでしょう。

今月、団体客を扱う市内の複数のホテルでは、法改正によりバスの運賃が上昇したことで主に国内の安価なツアーが組めなくなり、稼働が前年を割り込んでいるという情報を耳にしています。一見、活況のようですが、国内観光客のダウントレンドは生産年齢人口に比例してこれからも続いていくことは間違いありません。

新幹線開業で明るい未来が開けているように見える今こそ、気を引き締めなくてはなりません。未だトップシーズンとオフシーズンの入込の差が激しいこの街。また、同規模都市と比べ圧倒的な宿泊キャパを誇る函館。同じ季節でも入る日と入らない日の差を感じているのは、宿泊業だけではないはずです。長期にわたる需要に見合った受入れ体制を見極めることが大切です。

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