帯広雑感
先週末、所属する団体の全道大会出席のため帯広市に行ってきました。帯広へは2年ぶり、仕事の関係などで大体2~3年に1度のペースで訪れています。帯広駅前はこの10年余り、駅の高架化に伴う再開発で様変わりしました。かつては私と同業、地元資本のホテルが多い街との印象がありましたが、再開発された駅周辺は買収や新規開業で全国のビジネスチェーンホテルの品評会の様相。確かに綺麗にはなりましたが、私には無機質で魅力を感じられない駅前に映ります。宿泊先のホテルの窓からは北海道十勝地方らしい地平線が望めるのですが(写真)、地上からはその良さが伝わってきません。
職業柄、これだけ多くのビジネス系ホテルを見ると、経営は大丈夫なのかと心配になってしまいます。函館と異なり、ホテル集積地が限られているとはいえ、函館の3分の2ほどの商圏人口、道東のビジネス・観光の拠点都市ではありますが、帯広市自体は観光地ではありません。函館と共通なのは県庁所在地でもなければ大企業の存在しない地方都市。支店の撤退による宿泊需要は増加傾向とはいえ、乱立するホテルにより供給が上回っていそうなことはホテル経営者でなくともわかります。
こんな環境だからこそでしょうか、帯広をはじめとする道東地方は観光客誘致に力を入れています。道外からの誘致に関しては、唯一の輸送手段でもある航空機の機材小型化などもあって函館などより遥かに不利な状況ですが、昨年度も震災の影響も少なく観光客の入込に関しては前年を上回った数少ない地域です。もちろん道東道札幌⇔帯広間全線開通の効果も多分に影響しているとは思いますが、それだけではありません。
残念ながらこのたび同業の方とゆっくりと観光動向について話すことが出来ませんでしたが、私の知る限り、特にコンベンションや外国人に特化した誘致には戦略が感じられます。このたびも我々の団体以外にも複数の大会やイベントが行われていたようで、少なくとも私の宿泊したホテルはかなり混みあっていました。人物がいるのか、組織がしっかりとしているのか、近年帯広では大規模な大会が数多く開催されているように感じられます。また、観光資源が少ない分?スポーツコンベンションなどにはかつてから力を入れており、その成果か、震災前は福島県のJビレッジで行われていたU-15のサッカークラブ全国大会の誘致にも成功し、大変大きな経済効果を生んでいると聞いております。また、国内スピードスケートのメッカでもあり、3年前に完成した日本で2番目の屋内スケートリンクは、冬場の集客に少なからぬ役割を果たしています。外客に関しても、道東を舞台として撮影された中国映画が話題となると、そのチャンスを逃さずターゲットを絞った誘致戦略が功を奏し、札幌圏を除くと特筆ものの中国人観光客が帯広を含む道東を訪れました。
隣の芝生は青く見えるだけかもしれませんが、観光資源が豊富な函館とは異なる地域の誘致戦略に見習うべきところは少なくありません。外国人観光客とスポーツを含むコンベンションの誘致は、新幹線時代における函館の課題です。
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