夏マラソンの最高峰 ~”新”北海道マラソン~
定員が前年比3000人増の11000人に拡大され、スタートも札幌都心のど真ん中、大通公園に変更された今年の北海道マラソン。国内では最も過酷な環境下で行われるフルマラソンに、何でこんなにキツイ思いをしに来るのかと思うほど、全国各地から”ドM”のランナー達が集まりました。その経済効果は目に見える形で現れ、今年は希望したホテルはもちろん、発売初日に申し込んだ帰りのグリーン席も満席で取れませんでした。ナンバー交換所に指定されていたホテルに出店していた協賛スポーツメーカーの販売員も、昨年とは売れ行きが全然違うと驚いていました。レース後に知り合った、世界各地を走ったことがある高齢の市民ランナーが、「ボストンマラソンと並ぶような、ステータスのあるマラソン大会になる。」と、話していたのが印象に残っています。
フルはこの過酷な道マラしか走ったことが無い私は3度目の挑戦。過去にないほどの走り込みと、万全の体調で札幌入りした私は、若者が集うパスタ店(雰囲気的にちょっと失敗)に一人乗り込み、スパゲティとピザををそれぞれ1人前平らげ、カーボロディングも完璧。青森ハーフの失敗からアルコールもビールのみ(我慢できずに1杯だけハイボールを飲んだが)とし、ホテルではマッサージを頼んで翌日に備えました。
朝5時半に起きて朝食をしっかりととり、向かった会場では痙攣予防になると昨年走った後に知ったバナナも補給。結構な蒸暑さの中、ラン仲間と談笑しながらスタートを待ちました。例年のことなので、あまり気になりませんでしたが、今年のスタートは昨年より3時間早い午前9時。朝にしては暑すぎます。案の定、スタート直前のアナウンスでは「只今の気温29℃」・・・、ここは本当に札幌か。朝スタートのメリットは完全に消滅しました。
今年は陸連登録したため、スタートは前から二つ目のBブロックスタート。と、言っても私の前には1000人以上のランナーがいます。それでも号砲が鳴ってから、スタート地点到達まで50秒足らず。昨年より1分も早いアドバンテージです。当然、普通のランペースで走れるようになるまでの時間も短くて済みます。その普通に走れるようになって間もない1kmのラップは何と4分50秒。スタートロスを考えると、俺はいったいどんなペースで走ってるんだと疑いましたが、後で考えるとGPSウォッチのラップをスタート時で押しているため、正味800メートル余りのラップ。大体予定通りです。
その後はkmあたり4分50秒前後と、当初想定通りの走り。アドレナリンが出まくっているせいか、全く疲れはありません。緩やかな下りではkm4分30秒台とハーフペースになるも、快適そのもの。どうやら絶好調、サブ3.5に向けて上々の走りです。自分の時計で10km通過が48分台、20km通過は1時間36分台といずれも昨年より3分以上早いタイム。しかも一度もラップ5分を越えていません。この調子に「まだまだ大丈夫だぜぃ。」と、つぶやいてみたりして。早くもランニングハイか、脳みそがスギちゃんになってきました。
ハーフを1時間42分台と、7月の青森ハーフより6分も速いペースで通過すると、トップランナーの川内選手とすれ違いました。勇ましい姿で独走する川内選手に「頑張れ!川内」と声を掛けると、「おまえも頑張れよ!」とそら耳が。やばい、ジミーちゃんも出てきた。おそらくドーパミンが出まくり、心とは裏腹に体が悲鳴を上げている証拠です。案の定、25km付近で左ふくらはぎに違和感を感じ、次の1kmで初めてkm5分を越えました。それでも、新川通りの折り返しから30kmまで、km5分前後でねばり、30km通過は手元の時計で2時間25分台、実際の通過で27分ジャストとほぼ想定タイム、残りkm5分少々でも3時間半は切れる計算です。
しかし、フルマラソンしかも真夏の道マラはそんなに甘くはありません。30km過ぎの魔物は、km5分30秒以内で走ることを許してくれませんでした。昨年より2km早い失速、貯金吐き出しモードです。35kmからの1km、両足が悲鳴を上げ始めついに6分台突入。「これじゃ去年と一緒じゃん。」と思いながら、サブ3.5を諦めると同時に足の痙攣を覚悟しました。ところが、走り込みの成果かバナナの力か、あるいは午前スタートで途中、日が陰った環境のお陰か、昨年両足が痙攣して立ち止まった37km付近では逆に足が動き出して、再度km5分30秒台へ。サブ3.5は無理でも、自己ベストあるいは3時間40分以内を目標に、残り遅くともkm6分以内を意識しました。
結局、足が攣ることはなく、ラストゴールまでの直線もスパートをかけて5~6人抜き、精魂尽き果ててゴール。3時間38分台、下方修正した目標は達成できました。ゴール後は動けなくなるほどのダメージで、アイシングするとふくらはぎの筋肉が自分の意思とは関係なく動きまくり、油断すると即痙攣。回復まで1時間を要しました。その後は、昨年同様日帰り温泉に漬かって、付帯する食堂で生ビール連続注入。こんなに辛い体験をしたのに、心の声は「あ~、楽しかった」。
おれもドMか?とも思ったりしますが、性格的には絶対S。性格に関係なく、自分の限界にチャレンジする、マラソンの魅力というものがそこにあるのでしょう。経済効果だけではなく、挑戦してみようと思ったり、仲間や家族を応援したり、その姿を見るだけでもポジティブな空気が広がります。絶対に函館でもやるべきだと改めて思いました。
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青年社長さんこんにちは!
酷暑の「北海道マラソン」、「あ~、楽しかった」って、さすがですね!
「万全の体調」で臨んだとはいえ、経営者としての激務の中で、3分台、しかも昨年記録を3分7秒も短縮したのですから、たいしたものです。
今朝の道新の成績の記事フォ-ムには、不満です。誰が全体の何位で完走出来たか?は関心事項です。男子だけでなく、女子は特に。グループ(年齢)分けは、その後。
昨年は、1位アルン ジョロゲ 2.14.10、
5793位 ○○ 5.04.25 と載っていました。
ホ-ムペ-ジで検索してと言うのなら、新聞は要らないな。
たくさんのランナ-を応援していたのですが、皆さんなかなか完走出来なくて。残念。
三浦社長さんも、涙を飲んだのかな?
「函館フルマラソン」実現に、さらなる一走りを期待しております。微力ながら応援させてもらいます。
投稿: 宮 | 2012年8月27日 (月) 17時00分
せっかくの記録を、大変失礼しました。
(誤) 3分台
(正) 3時間台
投稿: 宮 | 2012年8月27日 (月) 17時03分