コンベンションの数字
函館国際観光コンベンション協会では、毎年年度の初めにコンベンションカレンダーを作成し、1年間に市内で行われる大きな大会とその参加人数などを公表しています。観光業界ではこの数字を元に、日々の入込を推計するのですが、この数字を真に受けてはいけません。
かつては、市民向けイベントや、コンベンションとは言えないような小さな行政レベルの”会議”まで同等に扱われており、その絶対数を評価すること自体ナンセンスでしたが、是正の声を上げ続けてきた結果、以前よりはまっとうなコンベンションカレンダーとなっているのは事実です(まだまだ改善の余地は大きいが)。その上でも、この数字を基にしたマスコミ等の論調をみると、誤解を与えている部分が大きいと感じるので、知るところをお伝えしたいと思います。
私もその運営に深くかかわっている、とあるフォーラム。規模は1000人となっており、地域紙などでは経済効果を期待する記事も載っていましたが、実質的に宿泊を伴って当地を訪れる参加者は1~2割程度。残りは市内の関係者で、”動員”による部分が大きいのが現実です。来賓に数名の外国人の方がいらっしゃるだけで国際大会となっていますが、これも過大な期待を与えているところかもしれません。
一般的に、国や特定の機関が主催して、たまたま当地が選ばれ、広く集客を募る大会はこのようなケースが多く、参加人数が多い国際大会や全国大会と銘打っても、参加者の割りに函館以外からそれほど人は訪れません。一方、全国や全道の組織が毎年場所を変えて行う大会などは、多少サバを読む数字であるにせよ、それに見合った”経済効果”が期待できます。
また、医学系の学会などは、実際の出席者以外に薬品や医療機器メーカーのセールスが動向したり、当地のような観光地には家族も動向することがあるので、発表される参加人数以上の”集客”となることも珍しくありません。小中高のスポーツ大会も同様で、公表される人数は選手や大会関係者ですが、親や家族も付いてくるケースが多いので、数字以上の入込みが期待できます。今年の7月の連休は只でも観光客が多い上、医学学会に、高専の全道スポーツ大会、またカレンダーには記載されていませんが、少年野球の全道大会も予定されているため、GW並に宿泊施設が足りなくなることが想定されています。
ちなみに、昨年は定員2000名だった函館ハーフマラソン。参加者の約7割が市内及び近郊で、残りのうち宿泊を伴うような出場者もおそらくその八掛け以下。この程度では、我々宿泊業界が潤うほどではありませんでしたが、定員が倍増となる今年はそれなりに期待して良いものと思っています。
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