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2012年5月26日 (土)

市場原理主義と地方都市の疲弊(3) ~大型SCの功罪~

先週、かねてより函館の隣街、七飯町の藤城地区に大型ショッピングセンターの出店構想をもっていたイオンが、その進出を断念したとの記事が載っていました。総会や大会続きで時間が無く、鮮度が落ちてしまいましたが、私見を述べたいと思います。消費者レベルでは賛否両論あるところかもしれませんが、至極当然の結果。地方都市の郊外に大型SCを造るということは、街の破壊を意味します。

Ion函館市民でも、イオンモール苫小牧に行ったことのある方々は少なくないと思います。中心街から少し離れた郊外にある巨大店舗。イオン苫小牧店を核店舗に、全国展開する衣食の有名テナントが数多く入り、ここに行けば何でも手に入るようなSCです。うちの街にもこんなのがあったらいいなと思うのも無理ありません。

しかし、人口20万足らずの都市にこのような大型SCが出来るとどうなるのか。ご存知の通り、苫小牧駅前はデパートの丸井今井、ダイエー、イトーヨーカ堂が次々と撤退。テナントビル経営もうまくいかず、かつての一等地かつ中心街は、シャッター通りならぬシャッタービル街、駅前がゴーストタウンのようになっています。

もっとひどいのが人口約11万人の山形県酒田市。隣接する三川町にイオンモール三川が出来たことで商圏が大移動。駅前商店街が衰退し、何と駅前地区の中核店舗だったイオンと同系列のジャスコが撤退。あおりで隣接するテナントビルも破綻に追い込まれ、駅前は見るも無残な姿となったと聞きます。残念ながら行ったことはありませんが、庄内平野のもう一つの中心都市、鶴岡市も同じような状況のようです。

良いもの、強いもの、大きいもの、そしてユーザーに求められるものが生き残るのが当然、競争原理に従って受け入れるべきだという意見があるかもしれません。しかし、それこそ市場原理主義の盲点。巨大化の影に大きな犠牲が払われています。この十数年、業種を問わず全国チェーンの店舗が小さな地方都市にまで進出し、その結果、街の風景は全国どこも似たような景色になりました。確かに便利にはなりました。でも、豊かになったでしょうか。

函館圏は全国に先駆けて人口減少が進んでいる都市圏です。今でさえ既存店舗が減り続けるパイの取り合いを続けている状況で、これはかつての中心街も郊外店も変わりありません。ここに巨大な集客力を誇る大型SCができたらどうなるか、火を見るよりあきらかです。

七飯町と同様、周辺の反対によってイオンがSCの進出を断念した福島県の伊達市では、大型SCが進出した場合の試算を行っています。閉店が想定される店舗数と失業者数の試算です。2000の商店が閉店に追い込まれ、失業者が4000~15000人に及ぶとの結果が出ています。わずか6万人余りの人口の街です。そして、これは前述の酒田市や鶴岡市で現実に起こったことです。先般記事には七飯に大型SCが出来た場合「一定の空洞化は避けられない」との意見が載っていましたが、そんな甘いものでは無かったはずです。

大型SCのない函館では体感できないことですが、全国各地では一歩進んだ問題が起こっています。ひとつは郊外の空洞化。十数年前まで繁栄を極めた郊外型店舗の集積地が、そのまた郊外に大型SCができたことで一気に”空洞化”が進んでいるというのです。また、大型SCの破綻や撤退も相次いでいます。そして、その周辺には多くの”消費者難民”が取り残されると言います。

進出を狙う一方で、イオンは多くの施設の閉鎖も検討しています。利潤追求のためならスクラップ&ビルドは当たり前。地域のことなど考えてくれません。そして、自らが利益を上げる一方で、消費者が”疲弊”していることに気が付いていないのかもしれません。大きくなりすぎると、小さなひび割れに気が付かず、やがて自壊に至る。JPモルガンもそうですが、市場原理主義の行く末のような気がします。

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コメント

いつも楽しく読ませていただいております。
大型SC誘致賛成派ではありませんが、それを拒み続ける道南、函館の人口減少率、高齢化が全国有数であるという事実との相関も検証する必要があると思います。また、SCによる若年層の雇用、固定資産税収入などの波及経済効果、メリットも合わせて検討すべきと思います。特に私は函館に来て2年経ちますが、街にも若者の姿は少なく、いったいどこに遊びに行くのだろうと疑問に感じています。若者が魅力を感じる商業施設は提供出来ているのでしょうか?
また街の中心が時代の変遷で移動していくのは、函館自身(かつての東京以北最大の都市)も、函館市内にも象徴的に現れており(十字街→駅前→本町→美原)、これも歴史の必然とも言えるものかもしれません。歴史的町並み保存を第一義としたコンセンサスの下の政策であれば、規制も理解できますが、現状はなんとも中途半端な印象があります。

今日、日本の小売や飲食で起きているのは、商店街のゴースト化です。小売では駐車場のない駅前が衰退し飲食では逆に飲酒運転禁止で郊外店の衰退です。中小店では過大な資本が必要のため時代の流れに乗れなく衰退しています。そこに資本力のある大型SCや居酒屋チエーンが駅前と郊外に進出しています。この現象は一時は消費者に受け入れられましたが、過剰出店のため消費者にも差別化を提案できないSCや居酒屋チエーンは撤退しています。そこで新たな問題がでています。
大型資本同士のスクラップ&ビルドです。スクラップされた地域は大型箱物ゆえにダメージが悲惨になるわけです。それに追い打ち掛けるデフレ化と少子高齢化の進む日本の悩みです。これからは、
残念ながら一段と生活防衛をせざるを得ない事になるでしょう。大型資本企業は日本から海外に将来をたくしています。空洞化が急速にすすみます。
これが将来の流れです。中小店は個性とオンリーワンと居心地よさとコミュニティがキーワードになります。大型店に負けないためには知恵と工夫が今まで以上に必要となります。これが出来ない店は残念ながら戦いから離脱せざるをえません。

初めてお便りします。
函館出身で、苫小牧にも住んだことがある者です。
昨年末に苫小牧に行きました。
街が一変してしまい、まさに駅前~錦町周辺はゴーストタウン化していました。
もうビックリ。
イオンの建設に伴い、駅前の店舗も移動、さらに若い世代のファミリーが土地代が安いイオン周辺に移り住んだことで駅周辺が一気にさびれたと地元の人に聞きました。
函館も繁華街が十字街⇒駅前⇒五稜郭と移った経験があるだけにまさしく他人ごとではないですよね。

新函館駅開業に向けて、駅周辺の活性化をはかる計画はあるのでしょうか?このままでは、新青森駅の二の舞になりそうなのが、残念に思われます。
新幹線開通に合わせた街開発計画がないのならば、函館は今後発展していくキッカケがあるのだろうかと心配になります。

<商店街の売上げ向上が、ビッグデータを活用した新ビジネスで可能になる>

 空き店舗だらけで薄暗いシャッター通りになった商店街が再び賑わいを取り戻すようなビジネスを考案しています。 地方都市や山奥であっても、小さなお店にAmazonや楽天通販の売上げトップのような品物がずらりと並ぶ、そんなショッピングサイトの構築を提唱しております。 現在、実用化してくださる企業を探しております。実用化さえ出来れば後は商店街の再興もあと一歩なんですが。

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