函館のおかしなところを正せ(2)観光施設編
国民の多くが休日となる元旦。当然ですが、我々ホテル業は営業しています。駅前、ビジネス系のホテルに宿泊されるお客様は少ないのですが、それでもオフシーズンの中では比較的多くの宿泊客がある日です。まして、湯の川などの温泉ホテルにとっては稼ぎ時の1日。多くの観光客がこの地を訪れる日でもあるのです。
にもかかわらず、市が管轄する観光客向けの施設のほとんどはこの日は休業です。これは観光都市函館にとって、明らかににホスピタリティに欠ける事象です。是正に動こうではないでしょうか。
昨年オープンし、多くの観光客が訪れた箱館奉行所。これは観光施設ではなく、教育施設だという意見は論外におきます。正月、五稜郭タワーに上り、視界に捉えた箱館奉行所に行ってみると本日休業。この冬、こんな苦情を何件か聞きました。今や函館を代表する観光施設になった奉行所が正月休業だなんて。早速、市の管轄するセクションに問題提起しました。幸い、担当セクションの責任者は我々の言い分を理解し、改善に向けて動いてくれました。
問題は意外なところにありました。指定管理者制度です。指定管理者制度にもいろいろありますが、箱館奉行所については売り手(市側)の論理で、公募の際にも多くの企業や団体が手を挙げなかった、管理する側のメリットが少ない曰くつきの制度です。市があらかじめ休業日数や入場者数を予測もしくは決定した上、それに基づいて年間の委託金額を算定し、その範囲内で管理してもらう制度で、受ける側からすれば、客が増えるほど利益が目減りするようなものです。実際、箱館奉行所は想定をはるかに超える入場者を記録したため、受託企業は渋々追加の出費を余儀なくされたと聞いています。
当初、休業としていた正月に営業するよう求めても、今の契約ではそれに見合う経費は出せないようです。増して、当初想定より多くの入場者があったことで受託企業に多くの負担を与えているのに。だったら、契約を見直したら?と問うと、それは公募をした手前、出来ないとのことでした。追加営業の経費を負担したり、想定外の入場者により追加的な経費が出た場合補填する契約があったら、もっと多くの企業や団体が公募に応じたとの言い分のようです。しかも契約は5年契約。何とも理不尽な。
観光客のために、函館のために多少の契約変更は認めましょう。民間なら妥協の余地がある話です。それに、観光施設の指定管理者制度は、青森のマエダアリーナの例にあるように、インセンティブ契約(賞罰のある契約)でなくてはなりません。こんな制度では、集客の努力どころか客が来ないために知恵を絞らなくてはならない、余りにも不可解な委託管理となってしまいます。財務部は、それで儲かるから?良いと考えているかもしれませんが、より多くの集客が出来た方が、市も管理者も街も潤うものです。
箱館奉行所に限らず、すべての市が管轄する観光施設、人が集まる施設の委託管理者制度は一旦白紙に戻し、契約を見直すべきだと思います。そこまで出来なくとも、市民の理解が得られる形で、一部の契約を見直し、委託管理者に負担がかからないように観光施設らしく、元日にも営業が出来るようにならなてはなりません。方法はあるはずです。
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