最近読んだ2冊の本
最近読んだ2冊の本が、いずれも”当たり”だったので、ここで紹介したいと思います。
まずは、尊敬する㈱日本政策投資銀行の藻谷浩介氏が書いた「デフレの正体」。函館市内で購入したのですが、東京都内の有名書店では平積みされベストセラー扱いとなっていました。経営に携わっている人、商売をしている方すべてに読んでいただきたい1冊です。要約すると、デフレ傾向にある今の日本経済は、単なる景気波動でこのようになっているのではなく、生産年齢人口の減少によってもたらされているものであり、この先数十年は確実に続いていく。100年に1度どころか、日本の有史2000年で初めての出来事だということが、わかりやすく、具体例を示しながら書かれています。
10年以上前から藻谷氏の講演を何度も聴いており、自分自身も前職時代より人口統計に興味を持っていたこともあって、私の中では常識となっているのですが、まだこのことに気付いていない人達が圧倒的多数派だと思います。私の周りにも、売上げが悪いのは景気が悪いから、政府や行政が無策だからだと口にする人が少なくありません。実態は違うのです。絶対的な需要が減り続けているからなのです。同じことをやっていては、前の年より確実に売上げは下がるのです。良くなったときこそ、特殊要因があるのです。私も、このブログで生産年齢人口と函館の観光動向について書いたことがありますが、業界に関係なく今の日本で起こっているのだということを、鋭く指摘している本です。そして、その解決策まで記されています。生意気ですが、強く推奨させて頂きます。
もう1冊は、誰でも一度はこの表紙やタイトルを目にしたことがあると思います。すでにベストセラーになって久しい「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」です。P・F・ドラッガーの本を何冊も読んでいる私は、この本を懐疑的に観ていました。この本が売れているのは、内容よりもアイデアだと。ありえないシチュエーションと、斬新な表紙が普段はドラッガーなど読まない層の心をつかんだんだと。だから、ベストセラーだと知っていても、手にとることはありませんでした。このたび、たまたま電車での長い移動があったので、半信半疑で購入した1冊でした。
ベストセラーになる理由がわかりました。小説の精度に批判的な意見もあるようですが、そんなこともありません。確かに出来すぎのストーリーではありますが、ドラッガーの考えを著すにはこれくらいが丁度良い。高校野球をかじったことのあるものにとっては、感動ものですらあります。そして、何よりドラッガーの「マネジメント」が、よりリアルに表現されていること。ドラッガーの考えは、理屈では分かったつもりでも、自分の立場に当てはめるとどうなのか不明瞭な部分も多々あったのですが、この本を読んでいくつも腑に落ちました。まだ、読んでないドラッガーファンもそうでない方も、”騙された”と思って読んでみて下さい。
この2冊、当ホテルロビーにある無料貸出本棚に置いておきますので、お泊りの方は手にとってみて下さい。お帰りの際、戻していただければ結構です。
多くの人に読んで頂くため、参考になったらクリックして下さい。
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