「新函館」~新駅効果は?~
北海道新幹線「新函館駅」(仮称)は、函館の隣町、北斗市の渡島大野駅付近に建設されることが決まっています。5年後、函館市中心部から17km、国内主要都市で唯一、空港より遠い新幹線の駅が誕生するのです。この新駅周辺の開発は、先日行われた北斗市長選挙の争点のひとつにもなりました。さて、「新函館駅」はどのような位置づけになるのでしょうか。
私と同等もしくは年上の市内観光関係者は、新幹線開通後の盛岡駅周辺の発展を目の当たりにしてきました。市内中心部から北上川を隔て、小さなお土産屋と食堂しかなく、函館駅前と比較しても貧相だった盛岡駅前は、新幹線開通と同時に様変わりし、大きなビルやホテルが林立しました。仙台圏に吸収されるという懸念は杞憂に終わり、逆に北東北の拠点都市として発展を遂げました。”政治力”も大きかったのでしょう。盛岡およびその周辺では、政令指定都市並のコンベンション施設やスポーツ施設が建設されました。「函館にも新幹線が来るとこんなに街が発展するのか。」「いや、新函館周辺が発展すると現函館駅周辺はますます衰退してしまう。」様々な思惑が渦巻きました。しかし、盛岡の発展は、全国的にみても極めて稀有な例です。
八戸駅は市内中心部にある本八戸駅から5kmほど離れた場所にあります。東北本線の駅にもかかわらず、駅周辺は元々閑散としていました。7年前、盛岡同様新幹線の終着駅になりました。確かに駅は立派になり、周辺にはいくつかのビジネスホテルや、コンベンション施設はできましたが、駅前は以前同様閑散としています。1日あたり5000人もの乗降客があるにもかかわらずです。八戸駅で降りた人は、滞留せずに青森方面の乗継列車に乗るか、八戸線もしくはバスやタクシーを利用して八戸市内中心部に向かいます。
前記2例は新駅ではありません。元々あった駅に新幹線が乗り入れたものです。
盛岡の南、人口約10万人の花巻市中心部から6kmほど離れたところに、釜石線と交差する形で「新花巻駅」は造られました。1日10本の新幹線が停車し、1日あたりの乗降客は900人程度です。盛岡開業と同時に、田園地帯に建設された新花巻駅周辺は開業後25年が経過しても中規模の駐車場以外は何も無いといっても過言ではありません。釜石線との連絡が不便なため、花巻市に向かう多くの人は車を利用するようです。
ズバリ何も無い田園地帯に出来る「新函館」の位置づけはこの新花巻駅といってよいでしょう。もちろん、乗降客数は新花巻の何倍にもなるでしょうが、市内中心部までは17km、駅の外に出る人は圧倒的に少なくなるはずです。八戸以上の典型的な中継駅。新駅周辺のビジネスチャンスはレンタカーなどごく僅かに限られます。税金の投入を最小限とし、いかにスムーズに、魅力的に現函館駅まで運ぶかを考えるべきでしょう。
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函館市中心部まで17kmだとタクシーで5千円から6千円くらいですかね。函館旅行で、ここでの出費は控えたいですよね。オーナーのおっしゃる通り、スムーズそして魅力的な移動手段を期待します。
投稿: ヤング | 2010年3月 9日 (火) 09時56分