疑惑の宿泊統計(函館市)
このところ、函館市が出している観光統計への疑問が同業者の間で話題となっています。
2004年度から昨年度まで、函館市の観光客入込数は507→484→487→482→456(万人)、このうち宿泊者数は315→316→311→307→291(同)といずれも漸減傾向にあります。実数の信憑性はともかく、傾向として体感する数字です。観光客が減少する中、ホテルの建設が相次ぎ、我々宿泊業界は数字以上に厳しい状況にあるのです。(写真は当ホテル客室、文章とは関係ありません。)
ところが、延べ宿泊者数というデータがあります。前記宿泊者数は宿泊した人の数で、2泊してもカウントは1です。2泊すると2カウントとなる延べ宿泊者数のデータは2004年度から、386→395→415→421→439(万人)と増加し続けているのです。いったい、こんなことがあるのでしょうか?これが事実とすれば、函館市は観光客が減り続けているにもかかわらず、宿泊業界だけは絶好調ということになります。
昨年の数字を確認してみましょう。観光客入込数は5.4%減、宿泊者も同様の減少率になるのに対し、延べ宿泊者数は4.3%増となります。因みに函館の代表的な観光施設である函館山ロープウェイの搭乗者数は8.4%減、五稜郭タワーの利用者数は11.0%の減少です。さらに、日本銀行函館支店が調査している当ホテルも含めた主要20ホテルの宿泊者数は8.2%の減少です。
函館市の出しているデータが正しければ、主要ではないホテルがものすごく頑張っており、さらには宿泊する人が減ったのに、連泊する人がものすごく増えた(北海道の中で函館だけ)ことになります。こんなこと、絶対にありません。
こんなデータが公式のデータとして出されていること自体、観光都市として恥ずかしいことです。おそらく、ここ数年、大型ホテルの進出が相次いだことで、データの継続性に何らかの矛盾が生じていることは想像に難くありません。
本日、セミナーの講師をされた方も矛盾を感じたらしく私たちに逆に質問していました。観光客数の測定(推計?)に、全国共通の基準は無く、自治体同士を比較することはナンセンスだと考えていますが、函館市の宿泊データのように明らかにおかしなものは、公に出す前に検証してもらいたいものです。
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